angel lamp5
「お休みなさい、カイト。良い夢を」
「お休みなさい。良い夢を」
いつものように声を掛け、部屋に戻る。
ベッドに身を横たえても、昼間のことが、頭を離れなかった。
あの少年に、紙のお面を返せば良かった。
そして、二度とここには来ないように、言い聞かせれば良かった。
誰も来なければいい。
僕と彼女だけ。二人だけでいられればいい。
誰にも、渡したくない。
ふっと、息を吐いた。
口に出しては、いけないと、分かっている。
僕は、人形だから。
彼女が、僕をどう扱おうとも。
「・・・・・・・・・」
ベッドから抜け出すと、扉の前に立つ。
しばらくためらってから、そっと部屋を滑り出た。
作品名:angel lamp5 作家名:シャオ