Second Doll
四木に最近お気に入りの子ができたという噂を聞いた。マンションに住まわしていて、そこにイソイソと通っているらしい。外出もあまりさせないようにしているようで、まるで深層のお姫さま状態で囲っているようだ。勇気あるというか無謀な者がそれとなく四木に聞いてみたところ、否定もされなかったそうだ。
たしかに、見かけた感じではここのところ帰るのがいつもより早い気がするし、呑みの付き合いも断ることが多いらしい。
珍しいこともあるものだ、と赤林は思う。同時にあの四木を虜にしている子というのは、どんな人物だろうと興味をもった。
最初に見かけたのは、目的地に向かう車の中だった。二度目に見たのは、用事をすませた帰り道だった。三度目は、軽く夕食を取った後に、車を帰らせて徒歩で歩いているときだった。
公園のベンチの中央。噴水が見える位置にあるソレに、少年はずっと座っていた。
人気のなくなった公園は、カップルのデートスポットか、ガラの悪い奴らの溜まり場になりやすい。
自分はこんなにお節介な質だっただろうかと赤林は自問する。だが見た感じ、どうも己が世話をしている初恋の女性の忘れ形見である少女と似たり寄ったりの年齢に見える。それに、やや俯き加減のその横顔が、どうにも寂しそうな男心をそそる風情を醸し出しているように思えた。
ふぅ、と少年が溜め息を洩らした。
「もう、野宿するしかないかなぁ…」
おいおい、ちょっとその言葉が聞き捨てならない。こんな少年なら絶好のカモにされる恐れもあるし、どんなトラブルに巻き込まれるか分からない。
思わず近づいて言っていた。
「君、おいちゃんの家来るかい?」
たしかに、見かけた感じではここのところ帰るのがいつもより早い気がするし、呑みの付き合いも断ることが多いらしい。
珍しいこともあるものだ、と赤林は思う。同時にあの四木を虜にしている子というのは、どんな人物だろうと興味をもった。
最初に見かけたのは、目的地に向かう車の中だった。二度目に見たのは、用事をすませた帰り道だった。三度目は、軽く夕食を取った後に、車を帰らせて徒歩で歩いているときだった。
公園のベンチの中央。噴水が見える位置にあるソレに、少年はずっと座っていた。
人気のなくなった公園は、カップルのデートスポットか、ガラの悪い奴らの溜まり場になりやすい。
自分はこんなにお節介な質だっただろうかと赤林は自問する。だが見た感じ、どうも己が世話をしている初恋の女性の忘れ形見である少女と似たり寄ったりの年齢に見える。それに、やや俯き加減のその横顔が、どうにも寂しそうな男心をそそる風情を醸し出しているように思えた。
ふぅ、と少年が溜め息を洩らした。
「もう、野宿するしかないかなぁ…」
おいおい、ちょっとその言葉が聞き捨てならない。こんな少年なら絶好のカモにされる恐れもあるし、どんなトラブルに巻き込まれるか分からない。
思わず近づいて言っていた。
「君、おいちゃんの家来るかい?」
作品名:Second Doll 作家名:はつき