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エトワール詰合せ

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『女王補佐官』



「へ・い・か。 起きてる?」

女王のプライベートルームを軽くノックして、褐色の肌をした健康的な美女が顔を覗かせた。

「レイチェル」

その顔を見た途端、女王の略装を身につけ薄いベールを被った女性が嬉しそうに顔を綻ばせる。

だがレイチェルは顔をしかめ、足早に女王に近づいた。

「顔色が悪いよ。やっぱり無理してるでしょ」

「大丈夫よ。ほら。こうしてベールを被れば、皆には分からないもの」

「そういうことじゃないよ。無理してまた倒れて欲しくないの」

「うん。ありがとう」

ベールの下からアンジェリークが微笑む。まだ体調も万全ではないというのに、その微笑みは痛々しさよりも、周りを包み込むような癒しを齎した。
彼女の微笑がいま自分だけに向けられているのを感じて、柄にもなくレイチェルは頬を染め視線を逸らす。
そして「もうっ」と諦めたようにため息を吐き、アンジエリークの手を取った。

「最初だけだよ。守護聖が忠誠を誓う間だけ。儀式が終わったら、すぐに戻るんだよ」

「レイチェル」

「なに」

「貴女が居てくれて、嬉しいわ」

有能な女王補佐官は笑み崩れそうになる頬を必死で引き締めた。
作品名:エトワール詰合せ 作家名:みと