トロワ詰合せ
『雪祈祭』
「いい、オスカー。これは大切な役目よ」
どこか幼さの残る可愛らしい表情で、彼の最愛の女王陛下は宇宙の一大事であるかのように告げた。
ここはアルカディア。神鳥の宇宙とは隔絶された次元の狭間にある小さな大陸。
朽ち果てたこの世界に色彩を取り戻した彼女は、今宵、彼女の愛する全ての者たちのために雪を降らせるという。
それだけでなく、彼女のもっとも気にかける少女のために、オスカーに重大な役目を命じた。
「そこまでする必要がありますかね」
「彼女は思いつめるタイプだもの。こんなことになって色々と悩んでいるし、自分で出来ることなら全て背負おうと無理をしているわ」
「それは…否定しませんけどね」
オスカーはため息をついた。
貴女は? と目で問いかける。無視されたので言葉に出した。
「陛下の方こそ、無理をされているんじゃないかと心配です」
「あら。私にはロザリアがいるもの。それに貴方たちもいてくれる。私が疲れているように見える?」
にっこり笑う少女に疲労の影はまったくなかった。むしろ、至尊の存在として常に崇め奉られている聖地にいた時より、気軽に出歩けるこの地に来てからの方が生き生きとしている。
「広大な宇宙を支えることに比べれば、この大陸を支えるのはわけないことよ?」
簡単に言うが、彼女はその半身でもある宇宙とひきはなされている。その影響はないのだろうか…?
気遣わしげに見つめるオスカーに、リモージュは屈託なく笑って見せた。
「いい、オスカー。これは大切な役目よ」
どこか幼さの残る可愛らしい表情で、彼の最愛の女王陛下は宇宙の一大事であるかのように告げた。
ここはアルカディア。神鳥の宇宙とは隔絶された次元の狭間にある小さな大陸。
朽ち果てたこの世界に色彩を取り戻した彼女は、今宵、彼女の愛する全ての者たちのために雪を降らせるという。
それだけでなく、彼女のもっとも気にかける少女のために、オスカーに重大な役目を命じた。
「そこまでする必要がありますかね」
「彼女は思いつめるタイプだもの。こんなことになって色々と悩んでいるし、自分で出来ることなら全て背負おうと無理をしているわ」
「それは…否定しませんけどね」
オスカーはため息をついた。
貴女は? と目で問いかける。無視されたので言葉に出した。
「陛下の方こそ、無理をされているんじゃないかと心配です」
「あら。私にはロザリアがいるもの。それに貴方たちもいてくれる。私が疲れているように見える?」
にっこり笑う少女に疲労の影はまったくなかった。むしろ、至尊の存在として常に崇め奉られている聖地にいた時より、気軽に出歩けるこの地に来てからの方が生き生きとしている。
「広大な宇宙を支えることに比べれば、この大陸を支えるのはわけないことよ?」
簡単に言うが、彼女はその半身でもある宇宙とひきはなされている。その影響はないのだろうか…?
気遣わしげに見つめるオスカーに、リモージュは屈託なく笑って見せた。