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不器用ブルース

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僕が静雄さんが好きなのと静雄さんが臨也さんを好きなのは関係ない。
…たとえ、静雄さんに嫌われていると知りながら。

「手前は竜ヶ峰」
「あ、あの」
「…俺の前に姿見せるな」
「すいません」

どうしてこうなった?
以前は挨拶程度はしていたはずで、一緒に鍋だって…

「シズちゃん、帝人君イジメ止めてくれる?」
「臨也かよ」
「俺の帝人君がイジメられてたら、出るしかないだろう?」
「あ、あの」

やっぱり、臨也さんが現れたことで静雄さんの表情が落ち着いたけど、僕に執着する臨也さんの発言に静雄さんは青筋を立てる。
僕は思わず静雄さんと臨也さんの間に入るが、二人は話を聞いてくれない。

「そんなに帝人君が嫌いなら、帝人君は俺の新宿に連れて行くよ」
「そ、そんな」
「うぜーな」

静雄さんはあからさまに機嫌を損ねる。僕はこれ以上静雄さんに嫌われたくなくて、二人に一礼すると、走り出した。

作品名:不器用ブルース 作家名:冬木彼方