angel lamp7
「っ!!」
扉が閉められ、ごとりと馬車が揺れる。
ゆっくりと進み始めたのを感じながら、窓から身を乗り出した。
彼女の姿が、徐々に小さくなっていく。
嫌だ。行きたくない。
何もいらない。あなたの傍にいたい。
叫ぼうにも、言葉が出てこなかった。
ぼやけていく視界の中で、彼女が手を振っている。
「あんなに嫌がっていたのにね。少しは、情が移ったの?」
マスターの言葉に、何も言えずに座り込んだ。
どうして伝えなかったのだろう。
言葉にしたら、変わっていただろうか。
好きです。あなたが好きです。
ずっと傍に、いたかった。
作品名:angel lamp7 作家名:シャオ