angel lamp7
「謝ることはないわ。あなたのおかげで、新しいマスターも見つかったんだから」
マスターはそう言うと、僕の方を見て、
「馬車に乗りなさい。あまり時間がないわ」
「・・・・・・はい、マスター」
マスターの命令は絶対。
逆らうことはできない。
マスターは、もう一度彼女を抱き締めると、
「ごめんなさいね。引き渡したら、すぐ戻ってくるから」
「いいの。その人に、よろしく伝えて。直接挨拶もせずに、失礼しましたと」
「大丈夫よ。心配しないで」
マスターは、名残惜しそうに彼女から離れると、馬車へと乗り込む。
僕は、マスターに手を貸してから、彼女を振り向いた。
何を言えばいいのだろう。
感謝の言葉?
あなたのおかげで、新しい体と、新しいマスターが手に入ったと?
僕は、そんなことを望んでいなかったのに。
「ごめんなさい、カイト。私のわがままに、付き合わせてしまって。あなたに、そばにいて欲しかったの。少しでもいいから、私のそばに」
彼女は、言葉を切ると、ふわりと微笑んで、
「でも、それももう終わり。これからは、新しいマスターのところで、幸せになって」
「僕は」
「カイト、早く乗りなさい」
マスターにせかされ、のろのろと馬車に乗り込む。
彼女は、扉に手をかけ、
「好きよ、カイト。今まで、ありがとう」
作品名:angel lamp7 作家名:シャオ