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angel lamp8

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振り返ると、婚約者の男性が立っている。
青い髪の人形に目を向け、

「それが、本来の髪の色なのか」
「・・・はい」

のろのろと答えると、彼は、「躾は行き届いているようだ」と笑った。
彼からも、人形からも、視線を逸らしていたら、

「どうして来たんだ?」


・・・・・・・・・。


「・・・先ほども、同じことを聞かれました」
「ああ。まだ答えを聞いていなかった」
「マスターの、命令ですから」
「彼女は、君のマスターではないだろう?」

その言葉に、ハッとして顔を上げる。
彼は、まっすぐに僕を見つめ、

「彼女が、そう言ったはずだ。自分は、君のマスターではないと」

その言葉の意味を飲み込むのに、しばらくかかった。

確かに、マスターは言った。「私は、あなたのマスターではない」と。

僕は、それを認めるのが怖くて・・・


「どうした?」

彼の声に、やっと我に返る。
その時、部屋の中の様子が、はっきりと目に入った。

マスターの婚約者と、青い髪の人形。
赤を基調とした部屋の中で、その髪の色は、ひどく浮いていた。

「あなたは・・・」
「うん?」
「あなたが愛しているのは、どちらの女性ですか?」

僕の視線を、彼はまっすぐに受け止めて、

「決まっている。妻になる女性だ」
「そうですか」

僕は、扉に近づくと、手をかけて、

「僕は、彼女を愛しています」

部屋を出ると、後ろ手に扉を閉めた。

作品名:angel lamp8 作家名:シャオ