angel lamp8
馬車でたどった道を、のろのろと歩く。
体が重い。息が苦しい。
目の前が歪んで、地面が波打っているかのようだ。
マスターを失えば、人形は存在できない。
だからこそ、マスター変更のできない僕に、新しい体を用意してくれたのだろう。
新しいマスターの元で、幸せになってほしいと。
「でも、僕は、あなたの傍にいたいんです」
愛しています。あなたを愛しています。
僕が、あなたを守るから。
だから、傍にいてください。
膝から力が抜け、道ばたにへたり込む。
新しい体なんていらない。
あなたの傍にいたい。
「・・・・・・・・・・!」
叫ぼうにも、声も出せず。
意識が途切れる寸前に、馬の蹄の音を聞いた。
作品名:angel lamp8 作家名:シャオ