紡がれし絆
「私は・・・・・・クレスさんが自分を出している曲が好き。何があっても・・・・私は最後まで聞きます・・・・・。^^」
「・・・・・・・・・。」
クレスは思った。私はどうしたいんだろう。ただ曲を弾くためにここに来たんだろうか・・・・・。
いや、ちがう。こうしてこういう言葉を、心を交わしたくて、ここに来たんだ。
「・・・・・・・もう一度やる。」
クレスは静かに言った。グリスもそれに答えた。
「はい・・・・・!」
「二人とも、頑張ってください―!」
琥流栖は大きな声でそう言い厨房へ戻って行った。「必ず聞きに戻ってくる」と言いながら・・・。
グリスは微笑みながらつぶやいた。
「・・・・・約束されちゃいましたね~・・・・・^^。」
「フン・・・・・・あいつが勝手にしたんだろ。」
グリスは首を少し傾けながら言った。
「でも・・・・・・訂正はしてないから、約束は多分決まっちゃってますね~・・・。」
「・・・・・・・・・ふん。私は約束しようがしまいが、自分を出してやる。あの生意気なオーナーに思い知らせるためにもな・・・・。」
「喧嘩はだめですよ~・・・・。」
「喧嘩じゃない。」
クレスはそっぽを抜いて弦を調整している。
グリスはそんなクレスを素直じゃないんだときずくと同時に思い、それが口に出た。
「かわいいなぁ・・・・・・。」
「何か言ったか?」
クレスが少しその言葉を聞き取ったらしい。目が据わっていたので「何も言ってません」と言ってごまかしたのだった。
ー続くー