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取り置きアクセント

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風紀の不仲だが双頭である青葉くんと正臣が仲違いをしながらも、臨也さんの昔のちょっとした置き土産を綺麗にした下地の文化祭は上手く回っている、と思っていたのだがそうでもないらしい。
独特な非日常の空気を楽しみながら一応の巡回を、両脇に存在自体が凡庸でない二人をお供に巡っていると、真っ青な顔をした教師がまるで震源地から命からがら逃れてきたとでもいった鬼気迫るものを見送る。
同じく危険な香りを嗅ぎ取ったのか避難している生徒や外来の人々の波に逆らい、そのまま歩いてゆく。

騒ぎの元に先に辿り着いた風紀委員らはとっくにのされて、台風の目の周りで円を描いてのびていた。中心には、来るかな、来ないかなと思考に引っ掛かっていた二人が一触即発の面持ちで対面している処であった。
横の両人が互いに、あの年ならとっくに仕留めていると思っていたと残念がる。相も変わらないようですねと感想を述べる。

さあ始末をどうつけようかと思案に暮れようとしていたら、幾らか大人びた現在を過ごす二人が揃って苦笑を溢していた此方を向いたので、少しだけの予感に虫が騒ぎ、焦った。


勘は外れておらず、だがこののち惚れ直しらしきものをされるまでとは、露程も。
作品名:取り置きアクセント 作家名:じゃく