夜の獣 サンプル
「武。おまえ、緊張してるのか?」
リボーンに見つめられて山本は一気に頬を上気させる。
「しないわけ、ない」
「天国見せてやるぞ」
「小僧はどのぐらい経験あんだよ」
「おまえは今まで飲んだミルクの量を言えるのか?」
「な…」
「大丈夫だ。俺はセーフセックス主義だ」
「リボーン!!」
こんなに大人のナリをして中身がなんでこうなんだ、とリボーンも流石に驚いた。
「痛い思いはさせないぜ」
調子にのって悪い男の貌で囁くと山本が信じられない!とばかりに呆けた顔をみせるからリボーンはつい腹を抱えて爆笑した。人を斬った男が、同性とのセックスにここまで狼狽えるなんて。山本は先に上がる!と出ていくから「自分でヤルなよ」と釘を刺すと返事もせずにバスタブのガラスドアを閉めた。楽しい時間になりそうだと、リボーンは浮き立つ心のまま、スポンジに含ませたシャワージェルを盛大に泡立てた。