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空の境界~未来への軌跡~5(完結)

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そのおかげで、この一週間、各省庁の不正や議員様がたのスキャンダルでワイドショーは大賑わいである。

「結婚式には、来られる様にしておくから。」

とは言われても、海外からだから来られないかもしれなかった。

少し手を休め、急須を程よく冷ましている式を見ていると、式の動きが止まった。

「お客様のようだ。」

前にも言ったように、ここまで来れる人間は少ない。
そしてたどり着いたということは、ただの人間ではないようだ。

「お客さんなら、お迎えしなくちゃ。」
「危機感がないな。」

そして僕が事務所のドアを開けるとそこには、中学生位の少年がたっていた。

「蒼崎棟子様は、居られるでしょうか?」
「棟子さんは今、外に出ているけど?」
「いつごろ戻られますか?」
「そこまでは、把握していないけど。」
「そうですか。それでは、戻られる頃を見計らってまた参ります。」
「ちょっと待ってジュン。又迷宮に戻るつもり。」

鞄の中から声がした。

「シー声出さないで。」
「いいえ、ここは待たせてもらいましょう。」
「それじゃ悪いよ。」
「あの~中に人がいるなら出してあげてもいいよ。」

そう言っている間に式がサバイバルナイフを持って鞄を切りつけた。

「真紅(しんく)」

中からゴシック人形が出てきて式の二激目のナイフをかわした。

「やはり、魔術師か?」
「ハズレ、私の造物主は「人形師」であると同時に「魔術師」だったかもしれないけど、ジュンはただの人間よ。」

式は跳躍して、三激目を入れようとして時、僕は式を後ろから抱きしめ耳元に息の懸る位の所から話しかけた。

「お客さまなのだから、御持て成ししなきゃだめだよ。」

顔を真っ赤にした式は観念して

「解かったから離せ。」

ということになった。
それからの話も長くなりそうなので、とりあえず僕と式が携わった事件は小さなものは幾つも有るけれども、大きなものはこれくらいだ。


~未来軌跡~

ちなみ生まれたのは女の子で「未那」と書いて「マナ」と呼ぶことが親族会議で決定した。その話を棟子さんにしたら、

「まったく因果な一族だな」

と言われた。どうしてか聞こうとしたら、「旧約聖書」を投げてよこされ、納得した。

ちなみに白い司祭服の彼女によく似た少女が結婚式の時、衛宮くんと一緒に来ていたが式のお父さん経由の知り合いらしい。本当に記憶にないらしく初対面的な感じがした。

未那も大きくなれば、僕等の様な生き方をするかもしれないが、それは彼女の物であって決して、「親だから」なんて理由で介入してはいけないものなのだろう。でも今は、式の腕の中で笑っていてほしいしどんな事をしてでも守りたいと思うのは、親のエゴなのだろうか?

ちなみに大輔兄さんは、今もどっかで彼女の「身体」を探しているようだ。でも何故かここ最近、大輔兄さんと国際電話でご機嫌な棟子さんをよく見るようになった。大輔兄さんの方も順調の様だ。

そして、数年後「両儀 未那」が関わる事件が有るのだがそれは、又別の話だ。