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【00/ニルアレ】年齢逆転パロ

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力を手にした状態で、暴力の槌を振り下ろそうとしている相手を目の前にしてしまうと―――どうしても頭に血が昇ってしまうのだ。
それは確かに申し訳ないと思っているだが、ふと冷静になった後に、怒りながらもフォローしてくれたり構ってくれるアレルヤの存在が嬉しくて仕方ないというのもまた、ロックオンの本音だった。
だからこそ、自分のせいだと分かっているのに、構ってくれないことが面白くない。
思わず抱えていたハロを適当な場所に放ると、無重力に任せてふわりとアレルヤ目指して壁を蹴る。

「アレルヤ」

「何、ロック―――――」

言いかけたアレルヤの声が、半端なところで中断する。
ロックオンの声がしたと思って振り返ったら、すぐ傍まで彼の顔が接近していたのだ。
アレルヤが驚きに目を瞠っている隙に、彼はさっとその頬に唇を寄せると、すぐに顔を離して悪戯っぽい笑みを浮かべてみせる。

「フォーメーションを無視して悪かったよ、アレルヤ。お詫びに、前に美味いって言ってた料理作るからさ」

それで許してくれよ、と、この時ばかり子供っぽい表情を作るロックオンに、アレルヤはすっかり毒気を抜かれてしまった。

ずるいものだ。
いつも大人びているくせに、こういう時には決まって「子供」を強調して、アレルヤに甘えようとするのだから。

(言う事は「大人」なんだけどね)

以前連続で共同ミッションをこなしていたとき、アレルヤはロックオンと共にしばらく組織が保有する基地のひとつである無人島で共に生活をしていたことがあった。
その時にロックオンがたまたま作ったある料理をアレルヤがひどく気に入っていたのを、彼はしっかりと記憶していて、それを仲直りのつなぎにしてきたのだ。

さりげない気遣いは大人のもので、作り出す表情は子供のもの。
そのあまりにも上手い処世術に内心管を巻きながらも、それに巻き込まれて悪い気はしていない自分自身も、随分彼に毒されてきているらしい。

「食後のコーヒーも、手挽きでね」

「了解」

首に巻きついたままの片腕さえ振りほどくことはせず、アレルヤは困ったように笑って答えて。
構ってもらえた上に許しも得られたらしいと知ったロックオンは、そのささやかな要望に、明るく応じた。