I know what I do when
「よし、じゃあ……今日はここまで」
書類で机をトン、と叩き、シオンが発した一言が始まりだった。
いつもの連続徹夜地獄、本日3日目。ライナは今にも失いそうだった意識を無理やり奮い起こして、シオンにつかみかかる。
「マジ!? 終わり!?」
「うん、終わり。お疲れ様」
「よっしゃああああああああ!!」
と叫んだときにはもう、ライナはシオンにも見えない早さで帰り支度を終わらせていた。
シオンが何か企んでいるにしてもいないにしても、無駄に残って仕事を押し付けられる可能性を高める必要はない。
「明日は昼頃宿に行くから……って、相変わらずの早業だなぁ。普段からこれくらい素早く動いてくれれば俺ももっと助かる……」
「あーはいはい、説教はいいって」
片手でそれを制して扉に向かい、
「来なくていいけど、昼な。おっけー!」
それだけ言って走り去った。
先ほどから続く耳を疑いたくなるような待遇に、小躍りしてしまいそうだった。なんといっても久々の丸1日オフである!
ああこれでフェリスさえいなければ本当に24時間眠り続けるのに……なんて思いながら、ライナは城を後にした。
作品名:I know what I do when 作家名:紅 子