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日の下で眠る

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日の光を全身で受け止める為に両腕を広げた一人の男、彼の後ろから人影が近づく。
「よう、毛利。あいかわらず日光浴か?日の光を浴びているわりには貧弱な体付きだな」
軽く笑いながら話しかける。
「・・・何の用だ。戯言を抜かすようならば、去れ」
振り返らず、感情など無いように言葉を返す。そんな彼の言葉に溜め息を一つこぼし、元親は真剣な顔をした。
「聞いたぜ」
「・・・・・・それがどうした。貴様に関係なかろう」
「あんだろ。お前、豊臣と手を組むってことは・・・」
「貴様は敵だな」
元親の言葉を遮ると、すぐ側に置いていた輪刀に手を伸ばす。体を軸に円を描くようにして刀を構えた。
「本来ならば我の地にのん気に足を踏み入れようなど、ありえないのだ。」
鋭い目つきが元親を刺す。一方元親は、肩に乗せていた碇槍を地に下ろし、片足を乗せた。
「そうかもしれねぇな。けどよ、今はまだ同盟国だ。これも縁ってヤツだろ」
「縁など、貴様らとは必要ない」
「必要ないってどう言うことだ、毛利よぉ!」
下の者から慕われ、頼られてきた元親は自身と、それに付いてくる者達を否定され、言葉を荒げる。そんな彼を見ても元就は眉一つ動かさない。
「そのままであろう。我は毛利の繁栄の為には如何なる物も利用する。貴様もそうだ。だが豊臣が優性である今、駒として意味を成さぬ貴様は用済み。」
「っ!」
いつの間にか元就が歩み寄り、元親を輪刀の射程に入れていた。元就がそれを軽く振り上げ、元親の頬を刃が切り裂く。元親は僅かに流れる己の血を拳で拭った。
「理解できたであろう?言わずもがな貴様らとの同盟は破棄だ。消え去るがいい」
相も変わらず、冷酷な言葉と視線が元親に向けられる。元親は怒りを瞳に表わすも、舌打ちだけして碇槍を蹴り上げて肩に背負った。
「分かったよ。これからは何が起きようがテメェは敵だ。・・・最後にこれだけは言っておく。何もかも駒と考えてると最後まで立ってられねーぞ」
言うと、元親は踵を返して元就から離れていった。
―寂しいヤツだな―
ポツリと呟いて。だが、それは元就の耳に入ったようだ。
「寂しいなど、我には必要の無い感情よ。必要なのは盤上を動かせる駒のみ」
既に視界から消えた元親に返答した元就であった。

作品名:日の下で眠る 作家名:ギリモン