いつまでも醒めない夢を見ている
やがて御影は、神々の愛子であり、心は永久に幼子のままだと知られた。身体が成長しても、心は五つやそこらの子供、そしていつまでも澄んだまま。
神々の愛子が殺すことはできない。佐保の誰もが安堵し、私も、ひとときの安らぎを得ることができた。二人で身を寄せ合い生きていけばいい。
わたくしが望むのはそれだけだった。たったそれだけのことができぬはずがない。わたくしはそう信じたかった。なのに、いつもおそろしくて仕方がなかった。
佐保の占手は外れない……。つよい霊力をもつわたくしは、誰よりもつよく感じていた。
運命とは、佐保の怖ろしい予言は、避け得ぬことができぬのだろうか。そして予言を信じることしか術のない一族はなんとかなしい一族なのだろうか。
わたくしはいつもおびえていた。そしてこのおびえを癒してくれるのはたったひとり、いとしい姉姫だけだった。
作品名:いつまでも醒めない夢を見ている 作家名:松**