addict
立ち上がりながら、ゆっくり言葉の咀嚼をする。幹孝の言葉の真意が自分なりに
掴めた時、小さく笑いが零れた。未発達な本心の欠片は捨てられることはなかっ
たのだ。ただ、気紛れに拾っただけですぐに捨てられてしまうかもしれない。そ
うなったら今度こそ本心を燃やして灰にしよう。その分一層牙を鋭くして時を待
つのだ。でも、なけなしにぶつけた欠片が拾われて、満更じゃないのは嘘じゃな
かった。本当のことだった。
「・・・・ったく、お互いまだ半端に人間のままだね、旦那」
料理も装飾も全てぶちまけられて壊されたパーティーは、まだ良くも悪くも終わ
っちゃいない。残された人間の思い次第で、どうとでもなるのだ。そう、どうと
でも。