おちる天体
俺は隣を同じように白く染まったものを目で追って遠い場所に視点をやっている男の手に指をそっと絡ませてぶん、と振り回した。するといってぇと怪訝な顔をしてこっちを振り向いた。永遠に続くようにさえ見える道を歩きながら、ああ、やっぱりこうやって見られている間、大声で罵倒している間、憎しみでも、とても面白くて優しくて退屈させない男に俺は傍にいてほしいのだと、思うときがときどきあってもいい。
俺は見られないようにそっと彼の手を口元にそっと近づけて口元に寄せた。とても温かくて、祈るような。
天体の落ちるような確率の、愛が届く