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流転する、君との距離

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あぁ、



 あぁ、やばいんじゃないんだろうか?というか、私は荒垣に襲われるのか?もし、そうなったら後で処刑だ・・・。そこまで考えて、やられた後に処刑なんて遅いんじゃ?とも思ったが考えることすらもだんだん面倒になってきたので思考を停止させた。

 私はベッドに押し倒されている。荒垣が、いつものニット帽を取っているのに気付く。
こんなことを言っては悪いかもしれないが、目は狂気の沙汰だ。見開いて、白目の血管が見えるほど見開いて。その見開かれた眼には、顔が紅く、髪はそれよりも赤毛の、涙目の、けどその目は色欲にまみれたような淫らな少女が映っていた。
単純に言えば、どっからどう見ても私なのだが。

「おい、言わせておけばべらべらと・・・俺だって必死に我慢してたんだ。てっきり、俺はお前とアキの奴がくっついているかと思ってな・・・」
私は眉をしかめる。
「失礼だな・・・。お前を忘れて私が他の男に寄り付くとでも・・・?無理だよ・・・桐条とか過去のしがらみとか、贖罪とか、全て捨てでも・・・荒垣と行きたいと。一緒にいたいと思ったんだよ・・・」
また視界が滲み、ぼやける。すると、いきなり唇がふさがって、舌が私の口内を犯して、侵して・・・。

「止められないからな。ご令嬢?」

 バカにしたように、私を見下ろす目にゾクゾクする。
ご令嬢なんて・・・確かにこういうことは学校の保健体育の内容程度しか知らないが・・・。
でもお前に任せればいいんだろう?何をしてもいいよ。好きにしてくれて構わない。
今日だけ?明日も明後日も?永久に?
このまま、お前だけのものになっていたいんだ・・・。
影時間に突入し、部屋が満月の不気味な光で緑色のようになる。

 あぁ。影時間もあわせて、朝まではまだまだだ・・・。
この快楽に、身を任せて、喘ぐ声も、いやらしい水の音も全てが私の中で流転する。

作品名:流転する、君との距離 作家名:namo