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どう転ぶかわからないから恋は面白い

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そう言って、そのまますたすたと帝人のアパートの方面に歩きだした静雄に、帝人は付いていく他なかった。流されてるなぁと、先を歩く背中を見て自覚する。なんとかこの流れを自分に向けられないものか。しかし断るにしても、告白なんざぶっちゃけ初めてだった自分にはレパートリーが少なすぎる。これはもうぐーぐる先生に聞くしかないのか?と悶々と考え込んでいるうちに、アパートに到着した。
数時間しか離れていなかったのに、なぜか懐かしく感じる我が城に(住めば都だ)、帝人は無意識にため息を吐いて、静雄へと向き直った。
「ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げれば、後頭部に「竜ヶ峰」と音が落ちてきた。下げた頭を今度は上げると。じっとこちらを見つめる男がいて、帝人は(あ、)と心の中で零す。もしかして彼はまた言うつもりなのだろうか。ならば、自分は応えをどうすればいいのか。
(せめて、一日置いて、いやいやでも早ければいいかもだし、でも何て言えば・・・っどうしよう正臣・・・は当てにならないから園原さーん!!)
すると、まるで天命のように帝人の脳裏にある言葉が過る。それは日本人らしくぼかしにぼかして八橋にくるんだ、告白の返事としてベスト3に入るであろう文句。
「好きだ。・・・・付き合ってくれ」
帝人は考えるよりも先に叫んだ。


「お友達からでお願いします!」


「そうか・・・・・え?」
「え?」
目の前の身体が一時停止した。
あれ?自分何か変な事言った?
ぱちりと帝人が瞬きをしたその瞬間、夜でもサングラスをしたままだった顔がぼんっと爆発したように紅くなったではないか!
「・・・・ええ?ちょ、平和島さん?」
「なななななななななんだ?!!」
「(なが多い)・・・・その、顔が、赤くなって」
「ちげぇ!いや違くないけど!これはそのお前が、友達からって言うから!!」
「え、僕のせいですか!?」
「だってお前、それッ・・・・・・・・・・きょ、今日はもう帰る!ま、また明日な!!」
そして男はあっという間に走り去ってしまった。
残された帝人はというと、


「え、何、あの反応、てか赤くなったってそんな、」
もしかして、彼の告白は、本気だっていうこと?



帝人の脳内から、近所迷惑という文字がログアウトした。



「ぅえええええええええええええ!!?」




思わずその場にへたりこんでしまった帝人の顔は、先ほど見た静雄の顔に負けず劣らず真っ赤に染まっていた。
「いやいやいやそんなまさか、だっていきなり、でもあの反応は・・・!」
てかあの人『また明日』って言ったよね言ってたよね!
「あ、明日どんな顔して会えばいいのさーーーー!!」







池袋最強に、童顔の女子高校生の彼女が出来る日も近い・・・・・・・・・かも。