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リヲ(スランプ中)
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novelistID. 4543
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時の狂ったその島で

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「ロックオン。起きてください、ロックオン!」

「ん・・・・・・んん~」

聞きなれたアレルヤの声に安眠を妨げられた俺はもう5分と言いながら寝返りを打った。
柔らかくもないが硬いとも言えない枕の上を転がる。
「もう・・・。倒れてたから心配したんだよ。でも大丈夫そうでよかった」
倒れてただって?
そんな衝撃はなかったがベッドから転げ落ちたのかと目を開いた俺の眼前に広がっていたのは、
青い空と亜熱帯系の植物で構成された森だった。
「・・・・・・どこだよ、ここ」
ぽつりと呟くと上から声が聞こえてくる。
「ソレスタルビーイングの所有する地上の隠れ家の一つ、だよ」
「所有って・・・初耳だぞ」
「やっぱり頭打ったのかなぁ・・・大丈夫ですか?」
心配そうに俺の頭を撫でてくる手を退かして上を向くと、
困ったように眉毛を下げたアレルヤの顔と鉢合わせた。
体勢から考えるとどうやら俺はアレルヤに膝枕してもらっているらしい。
男に膝枕されても嬉しくはないが・・・それよりも気になったことがあった。
「・・・なぁアレルヤ、いつの間にそんなに前髪伸ばしたんだ?」
顔の右半面を覆い隠すほどに伸ばされた前髪を指摘すると、
「・・・いけませんか?」
アレルヤは悲しそうな表情のまま呟いた。
「・・・べつに、アレルヤの自由だ。俺が口を挟むことじゃないよな。
・・・でもさ気に入ってたんだよな、アレルヤのオッドアイを見るの」
「っ!?」
空気を吸い込むほど驚いたアレルヤは両手で右目を隠してしまった。
その反応にハレルヤとなんか喧嘩でもしたんだなと納得した。
今は目の事は言わないほうがいいだろう。
「そうだ、膝枕あんがとな」
「あ・・・、いえっ、どういたしまして・・・」
照れたように頬を染めるアレルヤの頭をよしよしと撫でてから俺は身体を起こした。
「そろそろ戻りましょうか・・・」
「そうだな」
此処がどこだとか、どうして俺は地面に寝てたんだとか聞きたい疑問は解決されてないが、
それならそれでハロにでも聞けばいいかと思いアレルヤの後をついて歩く。
「にしても暑いな・・・ここ」
上着をパタパタと動かして中に空気を入れているとアレルヤのほうからくすくすと笑い声がする。
「そんな長袖の服なんて着てるからだよ」
「制服なんだから仕方ないだろー、ってアレルヤはなんで私服なんだよ」
「え・・・、制服なんてあったの?」
きょとんとなるアレルヤに気づかれないように俺はため息をこぼす。
どうしてか・・・いまいち話が通じていない。
「この天然め・・・」
「?なにか言った?」
「いーや、べつに。・・・あー、もう上着脱いじまお」
上着を抜くといくらかは涼しくなる。
そんな俺を見ていたアレルヤは楽しそうに目を細めると先を進んだ。



歩いているうちにコンテナが見えてきた。
地上に待機させるMSはそこに格納したりすることは知っている。
「刹那!ロックオン見つかったよっ」
「・・・ああ。ロックオンなら見つかった」
そんなどこかすっとぼけた会話をする二人の側に近寄ると刹那に警戒された。
「・・・ロックオン?」
「よ、刹那。そんな警戒すんなよ・・・って、なんか縮んでねぇか?」
そう疑問を口にすると刹那は見てわかるように顔をむすっと顰める。
そんな顔もできんだなと感心しながら近づくと、やっぱり刹那の身長は縮んでいる。
「おいおい・・・縮んだりすんのもイノベイターの力なのか?」
呆れ気味に言うと刹那もアレルヤも不思議そうな顔をした。
「・・・何を言っている、ロックオン」
「いのべいたー?」
怪訝そうな顔の刹那と首をかしげているアレルヤ。
二人のこの反応・・・やっぱり変だ。
どういうことだ。そう考えるよりも先にそれ以上の驚きと出会うことになる。

「刹那、なんとかハロの調子も良くなったみたいだ・・・」
そう言いながらコンテナから出てきた人物に俺は目も思考することさえも奪われた。
「どうして・・・」
まるで鏡映しの様なその人の姿に俺はそれ以上の言葉が出なかった。
「え・・・、ロックオンが二人・・・いる」
すぐ隣に立つアレルヤの困惑した声すら遠く聞こえる。
それなのに、

ただ、
「・・・・・・ライル」
兄さんの声だけが、驚くほどに鮮明に聞こえた。