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【ヘタリア】兄さんが消えない理由マリエンブルク城篇2-1

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「でもじゃねえ!!俺とヴェネチアーノは実際にそうしてる!!二人とも消えずに残ってる!!俺とあいつの意志でそう決めた!!」

「でも・・・ロマんとこと、あいつのとこ、事情が違うんよ・・・。」

「あの馬鹿兄が、むきむき弟に全部やっちまったんだろ?てめえの土地から政治から全部。
だからあのむきむきは、信じらんねー速さで大人のかたちになった。」

「ロマ・・・わかってるのなら・・・。」

「だからなんだってんだよ!!兄貴に土地をもらって大きくなって、兄貴が消えちまうってんなら、兄貴に土地返せばいいだけだろうが!!何、ぴーぴー悩んでんだよ!!」

「いや・・・だからそれは国際的に禁止されたことで・・・。」

「てめえの兄が消えちまうかってんだろ?何悩んでるってんだよ!!別に「プロイセン」って名前でなくていいじゃねーか!!あいつ、どうせ今までに何度も名前変わってんだろ?なんかてきとーに新しい名前つけて、消えねーようにしといたらいいじゃねーか!」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「だいたいなあ。くっそ真面目すぎんだよ!!あいつら!!もっと素直になりゃいいじゃねーか!!他の国がどーたら反対されてるからどーうたら!自分たちがどうしたいのかってのが大事なんじゃねーのかよ!!」

「ロマ・・・・。お前・・・・。」

「じゃあ、聞くけどな!トーニョ!!お前、昔な。あれだけ、世界のほとんどを手に入れたのに、その富は何処へ行った?あれだけの財産と領土は何処へ行った?!何に使った?!」

「ロマ、何言うてるねん。今話しとるのは・・。」

「ちがわねえ!!お前は俺のためにあれだけの富を使いきった!俺を守るためにだろうが!!俺が知らねえとでも思ってるのか!!このトマト野郎!!
お前がぼろぼろになって、あのまゆげ野郎にひざを折ってまで俺を守ろうとしたせいだろうが!!違うっていうのかよ!!」

「ロマ・・・・・・・・・。」

「お前と俺は別の国だから、あいつらとは違うって言うかもしれねえ。
でもな、お前が俺のために体すり減らして、持ってたものすべて放り出してくれたのはおんなじなんだよ!!お前の国力がどんどん落ちて行くのを見てて、俺がなんにも思ってないとでも思ってんのかよ!!!」

「ロマ・・・・ロマ・・・・もうええから・・・・。」

「お前に、少しでも返したい。大きすぎて返せねえけど、なんとか恩返ししてえって思うのは、気にくわねえが、むきむきとおんなじだろうがよ!!
他のやつらが何を考えて、禁止してようと関係ねえ!!
俺はお前のためになら、なんだってしてやる!!
お前が消えるってんのなら、俺の国土削ってでもお前にやる!!
誰が反対しようとな!!
お前が弱って動けねえってんのなら、俺の血肉でもなんでも分けてやる!!」

「ロマ!!」

アントーニョは思わずロマーノに抱きついていた。

「な、な、な、なんだよ!!まだ話は終わってねえ!!
聞け!!世界のどこの誰がなあ、お前のこと消そうとしたり、敵対したりしてもなあ、俺だけは・・・・なんの力もねえけどよ!俺だけはお前の味方なんだ!!
あいつらだって、お互い遠慮ばっかりしてやがらないで言ったらいいんだ!!
お前を消さないために、俺は俺の国土を渡しますってえな!!!」


「ロマ・・・・・・親分・・・・うれしいわ・・・・・。」

アントーニョが涙ぐんでいる。

急に猛烈にロマーノは恥ずかしくなった。


「なんだ!このやろー!!!」


アントーニョに頭付きをくらわすと、ロマーノは部屋から逃げた。

アントーニョは床に転がって天井を仰ぐ。



「・・・・・・嬉しいわロマーノ・・・・。

でもなあ、土地、ギルにルートが分けたらなあ。
もう・・・・・ギルがどうなってしまうんか・・・・・・。
怖いンよ・・・・俺たちも・・・・・。
世界が許さへんのじゃない・・・・。

ギルの体・・・・・おかしいんよ・・・・。
今まで見たことがない・・・・・あんな「国」・・・・・。

俺は・・・・・・ロマ・・・・・怖いんよ・・・・・・!」



アントーニョは、一人、宙にむかって吠えた。

 

「兄さんが消えない理由」2−2に続く