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【ヘタリア】兄さんが消えない理由 マリエンブルク城篇2-2

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(ああ、やはり、記憶はないのか・・・。)


「ああ、昔よく寝る前に歌ってくれただろ?あの歌を聞きたい・・・・・。」

「どうしたんだよ。めずらしいな。お前が子守唄、ねだるなんてさ。」

「さっき兄さんが鼻歌で歌ってたろ?久しぶりに聞きたいんだ。」

「ああ、そうか・・・。いいぜ。歌ってやるから、早くお休め。」

「俺が眠るまで、歌ってほしい・・・・。」

「まかせろよ!お前が俺にお願いするなんて本当に久しぶりだからな!!兄ちゃんは、嬉しいぜ!」
ルートヴィッヒはベッドに横になると、ギルベルトの腕をひっぱる。

「兄さんも今日はこっちで一緒に寝てくれ。」

「なんだよ。急に、甘えん坊だな。」

「そういう気分なんだ。横になって歌ってくれ。」

「ああ、わかった。」

二人で一つのベッドに横たわると、ギルベルトは歌いだした。




     
  Weist du wieviel Sterne stehen an dem blauen Himmelszelt?        
  Weist du wieviel Wolken gehen weithin uber alle Welt?
  Gott, der Herr, hat sie gezahlet, das ihm auch nicht eines fehlet,
  an der ganzen grosen Zahl,
  an der ganzen grosen Zahl.
 

  Weist du, wieviel Kinder fruhe stehn aus ihrem Bettlein auf,
  Das sie ohne Sorg und Muhe frohlich sind im Tageslauf?
  Gott im Himmel hat an allen seine Lust, sein Wohlgefallen,
  Kennt auch dich und hat dich lieb.
  Kennt auch dich und hat dich lieb.



歌が終わりになる前にルートヴィッヒは眠りについた。

「お休み、ヴェスト・・・・愛してるぜ。」

ルートヴィッヒのひたいにそっとキスをすると、ギルベルトも眠りについた。










眠りの中で、ギルベルトは騎士団の仲間に呼ばれた気がした。

(みんな・・・・?)




目の前に見えたのは、笑っている自分と騎士の仲間の姿。


(あぁ・・・・・懐かしい・・・・・・。俺の仲間・・・・・・。俺の「民」・・・・。
俺の「友」・・・・・・・。)



仲間が何か言っている。


(なんだ?何を言ってるんだ?)



笑って消えていく騎士たち。



(待ってくれ!みんな!!俺に何を言いたいんだ?!
 お願いだ!!待ってくれ!!
 俺を・・・・俺を恨んでてもいい!!
 俺を置いていかないでくれ・・・・・!)




夢から覚めた。


目からは涙がこぼれ落ちていた。


隣に眠るルートヴィッヒ。



弟の体に、ずれ落ちた毛布をかけると、ギルベルトは涙をはらう。



(明日・・・・・、明日・・・・・・城に行く・・・・。
  逃げずに・・・・いられるのか・・・俺は・・・・。
ああ・・・・みんな・・・・・俺を今の夢で呼んだのか・・・?

会いに行くよ・・・・・。明日・・・・。)


ギルベルトは弟の寝顔をもう一度見て、目を閉じた。







「兄さんが消えない理由」2−3へ続く。