残さず全部召し上がれ
近所の角の駄菓子屋がつぶれて、そこに新しくドーナツ屋ができていた。
オープン記念でもやっているのだろうか、店の周りには若い女の子達が群がっている。
甘いものが苦手なカカシはチラリと横目で見ただけで、興味なさげに通り過ぎ家路に着いた。
「・・・でね、そこでドーナツ買ってきてくれないかなヤマト」
「ちょっと、また奢らす気ですか?」
カカシの家でくつろいでいたヤマトを見下ろし、お願いしてみる。
「俺は食べないよ。お世話になった歯医者のお姉さん達にだよ」
「え?・・・ちょっと待ってください」
ズイッと立ち上がり、目の前のカカシをまじまじ見る。
「お姉さん達って何ですか?別にわざわざ必要ないですよね」
「でもめずらしく痛くなかったんだよねー女医さんだったからかなー」
何を思い出しているんですか!?その回想に浮気心はないでしょうね?とヤキモキしていると、再び目を細めニッコリとお願いされる。
「自分で買うのは何となく恥ずかしくてねー。お願いできないかな?」
そんなやりとりがあったのが10分ほど前で、ヤマトは今そのドーナツ屋に並んでいる。
あの笑顔は凶器だ。ボクはあの笑顔でお願いされると、断れないどころか喜んで!と受け入れてしまう。
考え事をしていた頭を上げ周りに目をやる。前にも後ろにもいるのは女の子ばかりだ。
甘いドーナツの匂いと鼻をくすぐる女の子達の淡い香水の香り。
「女医さんかぁ・・・」
軽くへこみながら、ヤマトはドーナツをいくつか買うとカカシの待つ部屋へと浮かない顔で帰った。
「おー、ご苦労様ありがとね」
ドーナツを見るなりニコニコと上機嫌なカカシを訝しげな目つきで見ていると
「なに?食べたいの?」と、返答が返ってきた。
「いえ、別に・・・」
まだいるかも分からない浮気相手に嫉妬など見苦しいと、頭から女医という言葉を追い出す。
「いやー喜ぶかなお姉さん達」
ジロリとカカシの顔を見ると、心なしかデレっと目元が下がっているように見える。
プツッ。
ヤマトの理性があっけなく切れた瞬間だった。
「あー、やっぱりお腹すいてきたんで食べたいですねー」
にっこりと笑顔はつくっているが内心はグツグツと嫉妬の湯が煮えたぎっている。
「えっ」
まさか食べるとは思ってなかったカカシは少し焦ったように、ドーナツとヤマトを見比べる。
「食べるんなら、1個だけだぞ」
「そうですよねー、あまり食べたら可愛い女医さん達の分がなくなっちゃいますもんね」
皮肉をいいつつニッコリと笑みは崩さない。
「そうは言ってないでしょーが」
さっきからヤマトの刺のある言葉にようやく状況を理解したカカシはフゥとため息まじりにあやす。
「早く食べたいんで、服脱いでくださいセンパイ」
一瞬、耳を疑って確認する。
「ドーナツ食べるのに裸になるバカが何処にいるのよ」
おかしな事を言う後輩を押しのけて、コーヒーを入れにいこうとするとガッシリと腰を捕まえられた。
「おいっ、何か勘違いしてるみたいだけどお前・・・」
「せんぱい、」
ドンッと胸を押され壁に背中を打つ。
「昼間から盛るな」
胸に顔を埋めてくるヤマトを押しのけようとすると、目の前にチョコレートがかかったドーナツを差し出される。
「美味しそうですよね」
一緒に食べようというのか、たまに可愛いコトをするなと目の前のドーナツをかじろうとしたら、ひょいと上におあずけされた。
ドーナツの穴に指を3本通すと、
「このドーナツ手作りらしいですよ。一つ一つ大きさが違うんですって」
「へぇ、手がこんでるなぁ」
「だからセンパイ・・・」
浅く口づけをしながら、股を割り太ももでカカシの股間をズボンの上から刺激する。
「食べさせてください」
下舐めずりすると、ゆっくりズボンの中に手を入れた。
壁に押しつけたまま首すじのラインを辿り耳たぶを甘噛みする。
「これ銜えててもらえますか?」
手にしていたドーナツを銜えさせ、あいた手でカカシの乳首を服の上から押しつぶす。
微かな反応をするカカシに、それだけでは物足りないといった様子で早急にズボンを引きずりおろし、
下着の上から執拗に先端部分を揉みしだくとジワリとパンツが塗れてきた。
芯をもちはじめたそれを下着から取り出すと強めに手で擦りあげてゆく。
「うっ、んっっ」
ドーナツを銜えたままのカカシの口からくぐもった喘ぎ声が洩れてくる。
「甘いもの銜えてるセンパイって、凄く可愛いです」
声を堪えているようにも見える表情が官能的でますます興奮した。
右手でカカシのモノを扱きながら、左手で上着をたくし上げ乳首を愛撫する。
完全に立ちあがったカカシの勃起したモノを確認すると「もういいですよ」とドーナツを口から引き離した。
甘い匂いが鼻からぬけ、その匂いだけで胸やけしそうだった。
「おまえ、何がしたいの」
半ば呆れ気味で尋ねるカカシにヤマトは嬉しそうに微笑んだ。
「ちょうど嵌りそうだなと思ったんです」
勃起したカカシの下半身にドーナツを乗っけるとすっぽり穴に収まった。
「こうして見ると凄くシュールですよね」
カカシのペニスにドーナツが投げ輪のように入っている様をうっとり見つめる。
「シュールすぎて偏頭痛が出そうなんだが・・・」こめかみをおさえ眉間にしわをよせるカカシに
「たまにはこういうプレイも楽しいじゃないですか」と、あっけらかんと言うヤマトに後悔の二文字は見当たらない。
「でわ、いただきます」
パクリと真っ先に口にしたのはカカシの亀頭部分だ。
「・・・そこドーナツじゃないでしょ」
「美味しいものは先に食べる方なんで」
嬉しそうにカカシのモノを愛撫するヤマトを見下ろしボヤく。
「なんなのこのプレイ」
作品名:残さず全部召し上がれ 作家名:ユラン