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Love is the answer

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産声さえもあげずに生まれた目の前には最初から絶望しかなかった。
耳が痛くなる程の無音に耐えられず両手で耳を塞ぐと自分の心音だけが空しく響いた。
腐敗臭が鼻をつく暗闇で独りうずくまっていたら指先の感覚が麻痺してきた。
突き刺す狂気と正気の狭間で頭の奥が凍り付く。

その瞬間、ゾクリと全身が粟立ったのを合図に僕は自身を放棄した。





秋も終わりの肌寒さの中じっとりと汗ばむ額を上着の袖で拭い、暗闇を見つめる。
カカシさんの家で御馳走になり、その後ずうずうしくもソファーで寝かせてもらっていた。
まだ薄暗い夜明け前に目を覚ました僕はベッドで熟睡してるカカシさんにそっと近づく。
ずっとこの人に憧れていた。
この人の為に自己を犠牲にしている時が、唯一生きてる実感が保てた。
そんな鬱血した感情に答えが欲しくて無防備な体に触れて確かめたかった。
目を覚ましたらすぐやめよう。
そう思って軽く目尻にキスをする。
マスクをはずし優しく髪をかきあげフワフワと柔らかい耳朶を甘噛みする。
身じろぎはしたものの起きる気配はなかった。
本格的にベッドに乗り上げると股の間に左足を割りこませ股間を密着させる。
薄く開いた唇から静かに寝息が聞こえ、それを塞ぐ様にキスをした。
そろそろ苦しくて目を覚ますかもしれない。そしたら僕はなんて言おう。
あなたのことがずっと前から好きでした。
十秒に一回、考えてます。
五秒に一回、愛してます。
とか言えばいいのだろうか。
告白なんてしたことないからまるで正解がわからない。


音を立てないようなキスを何回かして、淡い色の唇に舌を這わせる。
・・・なかなか起きないな。
その時ふと思いついた。
そうだ、夜這いしよう。
どこかで聞いたキャッチコピーよろしく、カカシさんの上着を捲りあげる。
色素の薄い体が薄暗い部屋の中でもやたらと目立ち、鍛えられた腹筋横にある大きな古傷に目がいった。
この見覚えのある傷は暗部の頃僕を庇って負ったものだ。間違いないと、よぎる記憶と溜まる唾液をゆっくりのみ込む。
そこを手の平で撫でているとジワリと股間が熱をもったのが分かった。
熱くなる身体を抑えきれず上着を脱ぎ下着だけになる、まだ始まってもいないのにもう息が切れそうだ。
スヤスヤと眠る項に顔を埋め首筋を舐め上げる。
「・・・っん」
初めて聞く鼻にかかる甘い声に更に興奮を煽られる。
我慢できずにカカシさんのズボンを下着ごとスルリと下ろすとまだ勃起してない性器が現れ、そっと片手で愛撫する。
もう片方の手で小さめの乳首を転がしながら親指で円をかく。
すべすべと柔らかい性器を揉んでるうちにしゃぶりたい衝動にかられ、唇を下へと滑らせヘソまできた時、カカシさんが「う・・んんっ」と寝返りをうち横向きになってしまった。
おしい、もう少しだったのに・・・。
でもそのおかげで今度は引き締まったお尻がよく見えた。
綺麗な形で見事に上を向いたヒップラインを愛でると、僕は用意してあった白濁色のローションをトロトロと尻の間に流していった。
さすがにもう、いつ目を覚まされてもしかたがないなと腹をくくると、行動は大胆になっていく。
難関だった胸元の上着をゆっくり脱がし、素っ裸を拝むことができた時には僕は達成感で感無量だった。
よしっ、ここまできたらもうやることは一つしかない。
僕自身も下着を脱ぎ、全裸になると持ってきたゴムの封を開けた。
カカシさんが男と経験あるかは疑問だが、この人の浮いた話しをまったく聞いたことがない。
あまりにもそういう噂がないので三十路前にも関わらず、カカシさんは童貞だと僕は思っている。
偉大な先輩に失礼極まりないが、そうとしか思えないから仕方ない。
さっき見た立派なモノだって本当に使ったことがあるのかというほど赤みがかったピンク色で・・・
ぐだぐだと妄想していると、突如ギシリッとベッドが大きく軋んだ。
その音にドキリッと僕の心臓も大きく鳴り、弾みで手にしてたゴムを床へ落としてしまった。
とっさにすぐ横にあった布団を被る様につっぷすと目を硬く閉じた。
暫くすると横のカカシさんが目を覚まし起き上がる気配がした。
バクバクと鳴っていた心臓が徐々に静かになる。
悪い夢でも見ていたのか深い溜め息がつかれ、その後に僕の存在に気がついたようでゆっくりと布団がめくられた。





「ヤマト・・・つづきしよう。おいで」


世界が停止したようにヤマトの動作も停止してる。

「・・・ありえないです」
「ありえなくはないだろ」
「むりです、そんなの」
「ひとを全裸にしといて言うか」
「合意の上でカカシさんと一つになったらそれは、両想いと受けとっていいんですか・・・でもそうなると、ですね」
「お前以外とめんどくさいね」
焦れたから実力行使でいくことにする。
まだ下着姿のヤマトの腕を掴みベッドに引き寄せると、つんのめるように転がってきて俺に抱きつくかたちになった。
腕の中にすっぽり収めるとぐりぐりと頭を撫でてやる。
「これでもまだなにか文句あるか」
「・・・ありません」
ぎゅうときつく抱きしめられて、温かい雫が胸を濡らした。


俺に依存できるのはヤマトしかいない。


逆もまた、然りだ。



作品名:Love is the answer 作家名:ユラン