LILAC
最初は、ただの流れ星だと思った
しかしそれは、真っ直ぐにこちらへ落ちてきた
次は、隕石かと思った
しかしそれにしては形がおかしすぎた
人の形をした物、いや
人が落ちてきた
しかし人でもなかった
翼が、純白の翼が生えていたのだ
ep01 はじめての友達
どこか遠い国の、本土と1本の橋で繋がれた、小さな島。中央に生えた大樹から広がる様にできたその島――シレンチオには、小さな町と豊かな自然があった。そこに、“彼”はやってきた。
「いやぁ~、本当に助かったよー!ありがとう!」
栗色の髪からのびた妙な癖毛を揺らし、燦々と輝く太陽の様に笑う、“彼”。
「俺はフェリシアーノ。よろしくね!」
数分前に空から降ってきた、純白の翼を持つ少年――フェリシアーノ。
「ねぇ、君の名前は?」
フェリシアーノは目の前の少年に満面の笑みで問いかけた。少年は困った様に答える。
「ル、ルートヴィッヒ…だが。」
「へ~!なんかごついね!じゃあルートでいい?よろしくルート!」
友情の証に、と手を差し出すフェリシアーノ。
「ち、ちょっと待て。お前にいくつか聞くことがある」
「? なぁに?」
フェリシアーノは頭上にはてなを浮かべ首を傾げた。
「お前は何故空から降ってきた?どうして翼が生えているんだ」
「何故って
俺、天使だから。」