迷惑な感情
10つ目 末路は地獄か天国か
眠った帝人ちゃんを抱きしめて新宿のマンションに帰ってきた。
もう少し先になるだろうと思っていた帝人ちゃんとの生活が、ついにはじまるかと思うと気分が高揚して、家に帰ってからも帝人ちゃんを抱きしめたまま何回かクルクルと回ってしまった。
(嬉しい!嬉しい!嬉しすぎる!!でも、まずはベットに寝かせてあげないとね!)
帝人ちゃんを寝室のベットに丁寧に寝かせて、その寝顔を堪能する。
自分の一番のテリトリーである寝室に、愛してやまない帝人ちゃんがあどけない寝顔をさらして寝ている事実に、帝人ちゃんが自分のモノであると心が歓喜した。
「帝人ちゃん...早く起きて?俺を見て?愛してる...愛してるんだよ...」
帝人ちゃんの頬を両手で優しく包んで、初めてのキスをおくった。
* * *
「あれ...?ここは...?私どうしたんだっけ?」
「おはよう。なかなか目を覚まさなくて寂しかったんだけど、寝顔もすっごく可愛かったからある意味満足かな?ここは、新宿にある仕事場と自宅を兼用しているマンションだよ。今日から帝人ちゃんと俺の家!ふふふ。念願の同棲生活が始まるんだね!!楽しいなぁ~!楽しいなぁ~!!」
「そ、そんな...!!」
青ざめる帝人ちゃんをしっかりと抱きしめて耳元で優しく囁いてあげる。
「大丈夫。俺をもっとちゃんと知れば満ち足りた生活になってくるからね!今はまだ家から出してあげられないけど、そのうち3人家族になるしそうしたら、お弁当もってピクニックとかもいいよね!幸せになろうね!!」
「...さ、三人..?家族?ど、どういう....」
青ざめていた顔が青白くなっていた。
帝人ちゃんはまだ高校一年生だから、結婚とか子供とか考えが上手くまとまらなくて不安で青白くなっちゃたんだよね。
でも、大丈夫だよ。帝人ちゃんの側には常に俺がいるから。
不安も何もかも俺が埋めてあげる。
「今から俺と帝人ちゃんは一つになるんだよ。お互いのことを知るにはボディートークが一番だと思うんだ。本当は二人だけの同棲生活を満喫したいんだけど、赤ちゃんが出来たら帝人ちゃん...俺の側から絶対にいなくならないだろう?だから...中にいっぱい出してあげる...」
「!!んっ...ふ...んぁ....」
「好き!大好き!愛してる!!幸せになろう....!!」
自分でも信じられないほど優しい声が出て、そのまま帝人ちゃんの口にかぶりついた。
2度目のキスは舌を絡ませあい、今まで感じたことがないほど甘い口付けだった。
愛してる。
愛してる。
誰よりも愛してる。
帝人ちゃんの頬を静かに涙が伝っていくのを見て、俺はこれからの幸せを信じてもいない神に願った。
彼にとっての天国は 彼女にとっての地獄-----
デハ、彼女カラ デテクルデ アロウ 子ハ?
天国? ソレトモ 地獄....?