緑の森の物語 ファンタジスタ
そんな弟たちと妹の様子を見て、『そのうち、本当に舐めてるついでに、食べたりしたらどうしよう。』何しろヤギと狼なんだもん。まだ、妹は赤ちゃんだし。そしたら、俺が守ってやらなきゃ。痛いけど、まだ、俺だと何とか二人とも抑え込めるし。そんな考えの中で、ふと…浮かぶ言葉。
「兄ちゃ…。でも、俺達より妹が好きなんだ。」
そんなことない。どっちも大事で、大切なものだ。瞬時にそれを二人に言えなかったのは何だか…もやっとする。
そして、そんなことを、ふと、見下ろしつつ思う。
俺にとってどれも大事な大事な宝物だ。だから嫌いじゃないよ。と今は恥ずかしいけど、いつか言いたいけど、今はなんか言えない。
『ごめんな。』2人の弟を見つつ心の中で呟いた。
作品名:緑の森の物語 ファンタジスタ 作家名:美影透