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まずいまずいまずかった

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だいたい放課後はいつもナッツハウスに集まり、何をするでもなく皆で話をしてお茶を飲むのだが、今日はめいめいに用事があったので別行動をしていた。
 ところが、偶然には偶然が重なるもので、補修授業が中止になったり、試合が延期になったり、撮影のスケジュールがずれたり、家の手伝いをしなくてよくなったり、委員会がすぐ解散になったりして、それぞれが予定よりだいぶ早く終わってしまったので、結局5人でナッツハウスへ向かうことになった。
 一応職員室を覗いてみたのだが、ココは既に帰宅していた。生徒からやたらと人気があるくせに、あまり学校に寄りつかずすぐに姿を消すのは、自分たちと行動を共にしているからだ。いくら仮の仕事だとはいえ一応教師なのだから、もう少し熱心になってもいいのではないかと、少女たちは勝手なことを考える。
 特に約束もしていなかったので、久々にあちこち寄り道をして楽しんでいると、すぐに日が暮れてしまった。せっかくだから顔だけでも出して帰るかと、いつもより遅い時間に店を訪ねる。
「あれ?ナッツは?」
「ココー?」
 開店したばかりなのでまだ客の数はまばらで、店内は閑散とし人影がない。客どころか唯一の店員であるナッツまでいないとなると、店を開けている意味がないではないか。
 のぞみたちはココとナッツの姿を探して、きょろきょろと動き回った。すると、2階の私室を見に行っていたりんが、声をひそませて手招きをする。少女らはつられて忍び足になり、そろそろと扉の前に集まった。
(2人は?中にいるんでしょう?)
(それが、どうも様子がおかしいんだよ)
(どうしたのかしら)
 皆がぴたりと扉に耳をつけ、中の様子を窺う。
 これは盗み聞きではないのか、と普段なら言い出すに違いないかれんも、何となくその場の空気に流され皆にならっていた。
 ほとんど聞こえないが、部屋の中では、かすかに甲高い愛嬌のある声が響いている。つまり2人は人間ではなく元の姿でいるということだ。それなら店に下りていないのも分かるが、ではなぜこの時間帯にわざわざ変身を解き部屋にこもっているのか?
 何としてでも真相を掴んでやろうと、りんは音をたてず少しだけ扉を開いた。皆が息を呑みつつ、その隙間に群がる。休日気分で遊んできたせいか、なぜか少女たちのテンションは異常に上がっていた。
作品名:まずいまずいまずかった 作家名:あおい