まずいまずいまずかった
「ちょっと待ってよ、まだ」
「いいからいいから」
最後に意味ありげな笑みを残し、こまちは部屋を出て行った。
皆が姿を消してから、ココは脱力して床にへばり付く。今さらのように顔を抱えて転がり回りたかった。
(まずいまずいまずいまずかった!)
あまりのことに一瞬で気絶し、無かったことにしたナッツが羨ましい。けれど自分まで気を失っていたら、どうなっていたことか…別にどうもならなかった気もする、人間とは形態が全然違うから…しかし、それにしても!
(まずかった〜〜ッ!)
何がどうまずかったのか、知っているのは本人と、無駄な知識まで豊富な読書家の少女だけだった。
作品名:まずいまずいまずかった 作家名:あおい