二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

イタミ~ YG_side

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

騎士の戸惑い



あのタカシって奴。本気じゃなかった気がする。
まあ…自分も本調子でなかったのだから、おあいこか?

「…くそ。こんなんじゃなかったら…」

タウバーンの修復が自分にこんなにも負担がかかるとは…。

月明りの中、包帯に包まれた痛々しい左腕。

違和感がまだ引かず、時々鋭い痛みも走る。
昼間のタカシとのせめぎ合い…向かってくる竹刀を受けるだけでも
実は精一杯だった。

「こんなザマでゼロ時間に呼ばれたら…ヤバイな…」

しかし、敵は待ってはくれないだろう。
「ま、いっか。スガタやワコにはバレてないみたいだし;」
どうにかなるだろう。


「君は…僕が気がつかないとでも思ったのか?」

他には誰もいないはずの部屋に響いた静かで…でも威圧的なその声は…

「ス…スガタ!?」

いつからそこにいたのか。大体どうやって寮にもぐりこんだんだ?

「行くぞ。」
「は!?」

スガタは有無を許さず、すぐさまタクトを抱き上げ扉を目指す。

「ちょっ…;ちょっとスガタくん!?」

なにがなんだかわからない。

「…お前、今朝から無意識に左腕をかばってた。」
「そ…そんなはず…!ぐぅっ!?」

タクトの左腕を、スガタは強く握る。
あまりの痛さにタクトは動けない。

「…ほら見ろ。しばらく僕の家で治療だな。」

なぜか怒った声でスガタは呟き、タクトを抱え直す。
こんな時のスガタに反抗しても無駄なのはわかっている。

溜息をひそかについてタクトはスガタに身体をゆだねた。
そして扉を出ようとした瞬間…すべてが止まった。

「…ゼロ時間…」

そこには『騎士』として存在しなければならない空間が
タクトを待ち構えていた。
作品名:イタミ~ YG_side 作家名:あやの