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幸あれ。

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夜、お世辞にも治安が良いとはいえない学生街。
家に帰るため、俺は裏通りを歩いていた。
人気は少ない。
その少ない人気の大半を占めるのが、ガラの悪そうな連中だった。
さっさと帰るか。
そう思って、少し足を速めた。
あと少しで中央通りに出るというところで、目の前にゴリラ・・・ではなく、がたいのでかい
男たちが5~6人立ち塞がった。
「おい、兄ちゃん。そんなに急がなくてもいいじゃねーか。」
「オレらとちょっと遊んでいこうぜ?」
どうやら俺は、因縁をつけられているようだ。
「・・・なんで、俺なんだよ。」
「自分は関係ないみたいな顔で澄まして歩いてんのが、いらつくんだよっ!」
そういうことらしい。
つまり俺は、ただ歩いてるだけで因縁つけられたってことか。
「はぁ・・・。」
「何だよ、その溜息はよぉ!やんのか、おい!?」
めんどくせぇなぁ。早く帰りたいっつーのに。
「・・・わかった、いいぜ。そのかわり、さっさと終わらせるからな。」
「はっ。大口叩けるのも今のうちだ。やれぇ!!」
男たちがいっせいに殴りかかってくる。
おいおい、一人対全員かよ。自分達がザコだって言ってるようなもんだぞ?
でもまぁこの程度・・・ちょろいか。
俺が最初に殴りかかってきた奴に応戦しようとしたところで・・・
横をスッと黒い影が通った。
「!?」
今、気配なかったよな!?
しかもそいつは俺の前で両手を横に広げ、驚く男たちと俺の『壁』になったのだ。
そして、言った。
「この人に手を出すのは止めなさい。」
小さな、しかしよく通る声だった。

作品名:幸あれ。 作家名:音梨音色