センセイ。
「アーサー、君、こういうことしたことあるのかい?」
「男とはそんなにしねぇよ。」
「そんなにって!君まだ22だろ!」
「そんなに驚くことかよ、女とは普通のも含めると数えきれねぇけど、男とは・・・一定のやつとしかしてねぇよ。」
そういうとアーサーは黒板を消し始めた。
そういえば黒板消しの最中だっけ。
「それは現在進行形かい?」
「は?なにが?」
「その・・・男としてるって。」
アーサーの動きが一瞬止まった。
「まぁな。」
「ワォ、じゃあ遠慮すること無かったんだ・・・」
「は?」
「男じゃダメなやつ多いだろ?」
「・・・俺は一定のやつしかしない。」
そう言うと、また黒板を消し始めた。
「・・・誰だいそれは、たくさんいるのかい?」
「・・・いや、今は1人だ。前は3人いた。」
「男で3人って・・・!すごいな君は、誰だい?友達の少ない君のことだからどうせこの塾の人だろ?」
「なっ・・・ていうか、こんな話ダメだろ!もう帰れよ!」
「アーサーが教えてくれたら帰るよ。」
アーサーはもう消すところのない黒板を消し続けた。
「他のやつに言うなよ・・・1人は本田菊、日本史の。もう一人は・・・王耀・・・中国語。ここには来たこと無いだろ。」
「知らないね。で、今でも継続しているのは?」
・・・、と彼は黙った。
「・・・アーサー、誰にも言わないよ。だって言ったら俺のしたことがみんなにばれるじゃないか」
そう言うと彼は、少し俺ののほうを見て、口を動かした。
「フランシス。」
俺の目は見ていなかった。