レイニーデイ、インザワールド
ヴィンディチェの水牢から出てきた後の骸は驚くほど回復が早く、3日ぐらいであのひねくれた、平たく言えばツンデレの性分が戻ってきた。現に今まさに綱吉は骸に顎で使われている。
「紅茶持って来てくれません?あ、砂糖はもちろん3つでミルクも付けて下さい。きちんと茶葉が開ききった状態のものにして下さいね」
「はいはい・・・」
クローム達がわざわざ持ってきてくれた私服を着た骸が、お茶道具の置いてある棚の上でいそいそ作業をする綱吉に細かく注文をつける。そんなに甘いのがよければオレンジジュースでも出すのに。いや、ここはココアとかの方がいいんだろうか。ココアなら、10年経っても味覚だけお子様のランボの為にこの間買ったことを思い出し、茶葉の入った缶の後ろを探す。綱吉の予想通り、ココアの入った缶が姿を現した。
「あ、あのさ、骸、ココアもあるんだけど・・・そっちにする?」
リボーンから手渡された書類に目をやっていた骸が綱吉の方を見る。自然と眼力を放つ独特のオッドアイと綱吉の間には、左右一枚ずつのガラスの隔てが出来ていた。少しの間沈黙する。
「・・・じゃあ、ココアにして下さい。全く、ココアがあるなら先に言えばいいものを。あ、君、薄すぎても濃すぎても駄目ですからね」
「はあい・・・」
ココアにしたらしたで、やっぱり注文は細かくついた。自分の緑茶を蒸らして葉を開かせている間、ココアの粉を慎重に計り、入れすぎないように少量のお湯を注ぐ。粉をよく練ってからまたお湯をゆっくり注いだ。
「・・・はい、どうぞ。そ、そういえばさ、それ・・・どうしたの?」
湯呑みをテーブルの上に置いて、綱吉も骸と向き合うように座る。それ、と眼鏡を指摘されて、骸は書類から視線を上げる。
「ああ、これですか?まだ視力が完全に戻ってないんです。多分この右目を回復させるのには時間がかかるでしょうね」
シンプルな細身の銀縁の眼鏡をした骸は何だかとても理知的で、お馬鹿な君と言われたのが癪だった綱吉も事実はそうであることは認めたくはないがそうなのだし、理知的な感じのする骸を目の前にすると反論できなかった。
「だ、だよなあ・・・それ掛けてないとほとんど見えないの?」
綱吉がそう質問すると、骸は眼鏡を外してテーブルに置く。直に見つめられて、少し緊張した。骸の整った眉が歪み、目が細められる。
「紅茶持って来てくれません?あ、砂糖はもちろん3つでミルクも付けて下さい。きちんと茶葉が開ききった状態のものにして下さいね」
「はいはい・・・」
クローム達がわざわざ持ってきてくれた私服を着た骸が、お茶道具の置いてある棚の上でいそいそ作業をする綱吉に細かく注文をつける。そんなに甘いのがよければオレンジジュースでも出すのに。いや、ここはココアとかの方がいいんだろうか。ココアなら、10年経っても味覚だけお子様のランボの為にこの間買ったことを思い出し、茶葉の入った缶の後ろを探す。綱吉の予想通り、ココアの入った缶が姿を現した。
「あ、あのさ、骸、ココアもあるんだけど・・・そっちにする?」
リボーンから手渡された書類に目をやっていた骸が綱吉の方を見る。自然と眼力を放つ独特のオッドアイと綱吉の間には、左右一枚ずつのガラスの隔てが出来ていた。少しの間沈黙する。
「・・・じゃあ、ココアにして下さい。全く、ココアがあるなら先に言えばいいものを。あ、君、薄すぎても濃すぎても駄目ですからね」
「はあい・・・」
ココアにしたらしたで、やっぱり注文は細かくついた。自分の緑茶を蒸らして葉を開かせている間、ココアの粉を慎重に計り、入れすぎないように少量のお湯を注ぐ。粉をよく練ってからまたお湯をゆっくり注いだ。
「・・・はい、どうぞ。そ、そういえばさ、それ・・・どうしたの?」
湯呑みをテーブルの上に置いて、綱吉も骸と向き合うように座る。それ、と眼鏡を指摘されて、骸は書類から視線を上げる。
「ああ、これですか?まだ視力が完全に戻ってないんです。多分この右目を回復させるのには時間がかかるでしょうね」
シンプルな細身の銀縁の眼鏡をした骸は何だかとても理知的で、お馬鹿な君と言われたのが癪だった綱吉も事実はそうであることは認めたくはないがそうなのだし、理知的な感じのする骸を目の前にすると反論できなかった。
「だ、だよなあ・・・それ掛けてないとほとんど見えないの?」
綱吉がそう質問すると、骸は眼鏡を外してテーブルに置く。直に見つめられて、少し緊張した。骸の整った眉が歪み、目が細められる。
作品名:レイニーデイ、インザワールド 作家名:豚なすび