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くらくらくらい

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臨也さんがやらかした。それで、とばっちりを受けてしまった。むっときたので暫しの絶交を無言で伝えるべく目を瞑った。





男子たる由縁に感じるロマン、その名もえろかわいさにやられたのかと正臣が一人腕を組んで得心しているので、否定をするもからかってくる。困ってローリングソバットをお見舞いして、それがクリーンヒットしてしまい半分マジを込めて謝られた。此方こそ意固地になりすぎたと反省する。
だが、きちんとその手の冗談は苦手だと釘を刺して置くのも忘れずに。
ロマンなら唯一大事なものを、既に手一杯な程に得ているからである。

手っ取り早く名をあげようとした不良らがばったばったとお手並み鮮やかにのされてゆくのを野次馬よろしく、共に下校していた園原さんと観覧する。
いつも通りわくわくしていますね、でも、何だか寂しそうですと報告され、そうかもねと素直に返した。


あと少々、お灸を据えてやらねばならないのだが、此方の身にもなって欲しい処。

屋上でのお昼でうわの空でいた所為か様子の訳を尋ねられた。大丈夫と取り成す。なのでそろそろかなと瞼を閉じて。





目を開けば、ほぼ白で満たされる筈の病室に場違いな真っ黒いものが自分の手を握ってうずくまっている。
すぐ其処にある体温の暖かさ、それに涙の跡が残された白皙の頬と目元の濃いくまに、起きたら謝罪を受け容れてあげるくらいのものだったから、元凶を作り出しては助けにくる出来損ないの偽物王子様へと花丸を出した。
うん、これで懲りたらいいな。…むりかな、むりだろうな。そんな思考に行き着いて嘆息を身を横たえたベットに乗せた。あと幾つ積み上がるのだろうか。全て臨也さん次第である。
「こうなるって、わかっていてやらかしたんですか」
問う口調にはしてやらない。抉り込むだけにする。
「僕に被害が及ぶって、知っていながらに止まらなかったんですか」
ごめんともぐもぐ口で言の葉を弄る臨也さんは、申し訳なさそうにしているように一見みえる。だけれども、きっと繰り返す。経歴が語っている、底なしのどうしようもないひとであるからして。
ならば此方も何度だって付き合い、繰り返す。一度覚えた温もりを、尊さを、絶対に離してなんてあげない。あげるもんか。泣いたって、縋ったって、例え此方の呼吸が止まり掛けたって。
作品名:くらくらくらい 作家名:じゃく