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苦さと甘さのフィフティ・フィフティ

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期待などしていない風に装おうと思い、何もせずに待っていると、廊下の方で随分大きなドアが締まる音がして覗いてみると、息を切らせて走ってきた綱吉と目が合った。骸は呆れたように言う。
「相変わらず体力ないんですね。全く、1時間半も待ったんですけど」
「う、ご、ごめんなさい・・・」
綱吉は靴をはきつつ謝る。そしてはっと気がついた。
骸が1時間半も、あんなことの後に待っていてくれたことに。
「何してるんですか、早く帰りますよ」
「えっ、あ、ごめん!」
綱吉が少し嬉しくなっていると、骸の急かす声がした。
鞄を急いで抱えて骸のところに行くと、前を歩くように勧められる。
言われるがままに前を歩いていると、ズボンのポケット辺りで手持ちぶさたにしている綱吉の右手に骸は手を伸ばす。
人差し指に軽く触れる。骸の手が離れようとすると、綱吉の手がぎゅっと掴んできた。
これで全てが伝わるといいと思った。言い過ぎた、とか、急に出て行って悪かったとか、そういう思ってても言えないことがこれで全て伝われば、と骸は思う。
久しぶりに触れる綱吉の手は温かい。その温かさが何だか妙に胸を締め付ける。自分で抑制してきた綱吉がいない寂しさを感じて、思わず骸がぎゅっと手を握り返すと、視線を感じて顔を上げた。
「・・・んな、何ですか!め、珍しいものなんかどこにもありませんけど!」
骸が顔を赤くしつつあたふたと取り乱す。綱吉は立ち止まり、 笑った。
骸の手に触れて、一番骸に言うべきであったし、言わなければいけないことが分かった気がした。
「・・・ごめん、なかなか謝らなかったし、言わなきゃいけないことも言ってなかったよ。・・・・俺、骸が好きだ」
骸の顔が更に赤くなる。そんなこと、同じように思ってるのに決まっている。
こんな、学校なんてところ、綱吉が居ないならば絶対に行かない。
「っい、いいですから早く歩いて下さい!凪も待ってますから!大体今更なんですよ、・・・告白なんて」