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【TOV】しあわせ?【ユリレイ】

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「何だおっさん。らしくねーじゃねぇな、気持ち悪い」
「らしくないって何よ!」
「気持ち悪いに突っ込めよ」

星喰みが消えて、平和が戻って来た日常が続く
普段は皆忙しいけれど、今日はたまたま皆の予定が綺麗に合って、久しぶりに集まる事が出来た。
パーティーをするからと食材を買いに行ったカロル君とわんこを待ちながら、
俺は青年とお互いの近況、何処かの噂、小耳に挟んだ話をだらだらと話していた。
話題も尽きて場が静になるのが何となく嫌だったから、適当に話題を探してみたらこんな事を口走った訳だ。

だけど一度考え込むように俯いた青年さんは、不貞腐れたような顔をして黙られてしまいました。

「せーねん?」
「…」
「ユーリさーん?」
「………」
「あのー…黙られてもおっさん困るんですけどー…」

謝ってみても様子を伺ってみても、青年はムスッとした顔のまま遠くを見ている。
どうしたものかと悩んでいたら、カロル君とわんこが戻ってきた。

「レイヴンどうしたの?ユーリと喧嘩?」
「いや喧嘩じゃないんだけどね…?」

カロル君が話しかけて見ても青年は曖昧に返事を返すだけ。
わんこも不思議そうに主人と俺を見比べるだけ。
帰って来たカロル君たちを迎えるためにやって来た、他のみんなも集まって来た。

「どうしたのよ?」
「うん、何かユーリが考え込んでるみたいなんだ」
「ユーリどうしたんです?」
「黙ってるだけじゃわからないわよ?」

流石に黙ってるわけにはいかなくなったのか、青年が不貞腐れた声で話し始めた。

「ああ、おっさんがな、さっき 幸せ?って聞いてきたんだ」








「えーらしくなーいっ」
「確かにらしくないわね」
「らしくないです…」
「年齢考えろキモイ!」
「ちょ!キモイとは何よキモイとは!!」



場が一瞬白けた後、らしくない(一部暴言)の嵐が吹き荒れた。
そんなにらしく無いの…っていうか青年、まだこの話題引きずってたの…?

突然、パンッと青年が手を鳴らした。青年は俺に目を合わせ、一瞬ニヤッとすると

「ってことで、今皆は幸せかどうか聞いてみることにする」

と、言ったもんだ。

「はぁ!? アンタまで何恥ずかしい事言ってんの?!」
「いーじゃねぇか、たまにはさ」
「ちょっとおっさん!アンタのせいでコイツまで変に染まっちゃったわよー!!!」
「まぁまぁ、いいじゃないですかリタ。」
「そうよ、たまにはこういう話してもいいんじゃない?」
「…ッ! 勝手にしなさいよ!」

そっぽを向いて、赤面をして俯いているリタっちを余所に、皆が顔を見合わせて笑う。

「星喰みも無くなったし、何より明星の星も有名になって、僕は幸せだよ!」
「そうですね、平和になりましたし、私もようやく進みたい道が見つけられたし、幸せです!」
「ええ、何よりも平和が一番ね。平凡な生活が、一番近くの幸せだもの」
「な、何なの皆で……まあ、そうかもね…あたしは、知らないけど」
「クゥン」

わんこが小さく鳴いた。心なしか笑ってるように思った。

「でもね!僕は皆とこうして居られることが幸せだよ!」
「私も皆と一緒に居れる事が、とても幸せです!」
「そうね、そういうモノなのかもしれないわね、幸せって」
「…そう、かもね…」
「ワフゥン!」


こうして皆が談笑しているのを眺めるのも、久しぶりだ。
旅の間は決して暗くは無かったけれど、明るいものでも無かった。
俺が、笑顔を奪い取ってしまった時もあった。
だから、こうして皆が笑っている姿を見られる事は、正直、嬉しい。

そう思っている自分が少し恥ずかしくて、俺はいつものようにおちゃらけてみせた。

「うむうむ、青春よのお若者よ~」
「レイヴンはどうなんです?」
「え、俺様?」
「そうだよ!」

突然過ぎる質問に目を白黒させる俺を、嬢ちゃんと少年がキラキラした目で見上げてくる。


幸せ。俺が?
正直、青年に問いかけてみたものの、全然考えてなかった。

どう答えていいのか分からずにいると、青年がため息をついた。だけど、その顔は呆れたようには見えなくて、





「要するにだな…俺たちは、まあ人並みに幸せなんだけど、」




むしろ、あの時のように    そう、


俺が”レイヴン”として帰って来た時みたいに    笑って―――――――





「”レイヴン”は 今、幸せなのか?」























取り戻せた、生きる希望
この場所で、この人たちと生きたい、って思えた、そんな場所。


生きる意味を、導き出してくれた、そんな仲間たち


俺は、今、幸せなのだろうか




生きていていい


此処にいていい


俺は、



「……俺は、―――――――― 」