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他者からその血気を摂取しなければ生きられない種がある。

　その種は特定の方法で接触することにより他者を同種へと変換させ、そうして同種となったものを『仔』と呼ぶ。
　また『仔』があるのだから『祖』もある。当然『祖』の方が力も強い。
　『仔』は『仔』しか増やせないが、『祖』は『仔』を作り出すことも新たな『祖』を生み出すことが出来る。『仔』を胞子とするなら新たな『祖』は種子、つまるところは無性生殖と有性生殖の違いである。その違いが随分と大きいことは言うまでもなく、端的に言ってしまえば、蟻や蜂の労働者と女王のような関係性を崩さない。『仔』は自分を作り出した者に従い、またその者も自分を作り出した者に従う、となれば、最終的に絶対なのは『祖』なのである。

　他者に害をなしてまで血気を食らう様を『寄生虫』と揶揄し、その蟻や蜂の如き統率性から節足動物を表す『虫』を生物全体を示す『蟲』と当て、その種を『寄生蟲』と呼ぶ。