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永久誓約

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「・・・僕のような人間と幸せになるなんて、無謀もいいところだと思いますよ

やや自嘲ぎみに骸が言い放つ。満更嫌ではなかった。犬や千種、クロームを除い
て、綱吉は好きか嫌いかと聞かれれば、好きな方の人間だった。だから、ここま
で逃げるときに綱吉の手を引いてきてしまった。ただ、そう簡単に幸せになんて
なれないのは分かり切っているし、いきなり綱吉を丸っきり信じてしまう気には
なれなかった。でも、少しならば信じてもいい気もしていた。綱吉と共に過ごす
のは嫌じゃない。
「・・・そ、それでも、た、戦うよ、俺。・・・骸と、一緒なら大丈夫だと思う
、から」少しの間だけ落ち着いて止まっていた涙が再び零れ落ちてくる。骸は袖
を掴む綱吉の手にそっと自分の手を重ねて、握ってやった。この路地に着いてか
ら初めて、骸と綱吉の目が合った。泣き腫らした赤い目が骸のオッドアイに映る
。骸の手がそっと壊れ物を扱うように綱吉の頬に触れ、細く白い指が綱吉の涙を
優しく拭った。
「・・・君はつくづく変な人ですね、こんなになるまで泣くなんて。子供じゃな
いんですから」
かあっ、と綱吉の頬が染まる。ぷっ、とその様子を見た骸が笑った。
「わ、笑うなよっ。・・・骸のせいでこんなになったんだからなっ・・・」
頬を膨らませつつ、綱吉は骸の手をぎゅっと握り返した。骸が自分を少し受け入
れてくれた気がして、嬉しくなる。「・・・本当に、いいんですね?」からかう
のを止めて、骸が聞く。
「うん」
まだ赤くなっている瞳でじっと骸を見て、綱吉はしっかりと頷いた。それを見た
骸はかすかに微笑むと、綱吉の手を引いて歩き出した。
雨は降り続ける。繋いだ手は濡れたが、気にはならなかった。
作品名:永久誓約 作家名:豚なすび