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地上に咲く太陽

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「もしもし、正臣?」
『帝人?こんな時間に珍しいな。』
正臣のその声を聞きながら帝人は笑った。
正臣のいぶかしむ声が聞こえる。
「あのさ、倒れたタンスの下敷きになって動けないんだけどさ。痛いし動けないしで。やっと携帯に気づいて正臣に電話したんだけど?」
帝人はそう笑い声で言った
『・・・・・・・・・はぁ!?』
正臣の間の抜けた声を聞いて帝人はさらに笑ったが、タンスの下敷きになってる今、正直笑うと痛かった。
が、帝人は笑い続ける。
そうとうの痛みのはずなのだが電話できているし意識だってはっきりしている。
「だからさ、助けてくれない?なんか頭からも出血してるし。」
帝人があまりにも笑って言うものだから正臣は困惑したがそれどころではないといきり立った。
『今から行くから!』
と言うあせった声とともに電話がぷつりと消えた。
「(痛いし、重いし。まさかぶつかった衝撃に耐え切れずタンスが倒れてくると     は・・・・。)」
帝人はそう苦笑した。

五分もたっていないだろう。玄関のドアがガチャリと開いた
正臣と杏里ちゃんに家の合鍵渡してたなぁ とか帝人はのんきに考えていたときだった。
「帝人!」「帝人君!」
「あれ?なんで杏里ちゃんもいるの?」
のんきに笑いながら帝人がそう聞くと
「それどころじゃないです!!」
杏里が言い返し、2人がかりでタンスを持ち上げた。
タンスからは開放されたが、体に力をいれても右手しか動かない。
折れてるかな?肋骨とかもいってそう・・。
帝人はそう考えていると
「とにかく病院!」「救急車です!」
とあせる2人がいた。

結果的にいえば、そこに帝人から借りていた本を返しにきたセルティがきて、セルティの同居人の人が医者とかでここからも近いということで帝人はそこに運ばれたのだ。

「にしても、普通は意識を失ったりするし、仮に意識があったとしても電話とかできるわけないし、笑うなんてもっと出来ないと思うんだけど。」
とセルティの同居人の新羅は考え込んだ。
「なんでしたっけ?左腕・右足・左足と肋骨を3本骨折に、頭蓋骨打撲、でしたっけ?」
帝人がそう笑うと新羅は
「そこに左頭部出血に左手首出血をたすと正しいよ。」
そう付け足した。
「大怪我ですねぇ。」
と帝人が笑うと新羅は
「タンスに下敷きにされると即死すること多いから今回は運が良いと思ったほうがいいよ。」
と言った。

「『「帝人(君)!!」』」
そこにそう三人が部屋に飛び込んできた。
「左腕・右足・左足と肋骨を3本骨折に、頭蓋骨打撲、左頭部出血に左手首出血だって。」
帝人がそう笑うと三人は息をあわせて
「『「笑い事じゃない(ありません)!」』」
そう怒鳴った
「あっ、学校どうしよう?この怪我じゃ無理かぁ。」
そんな三人をよそに帝人はもう別のことを考えている。
「病院に移ってもよし、ここで怪我が治るまで暮らしてもよし。あぁでもここで暮らしてくれるほうがいいかな?セルティもそっちのほうが喜ぶだろうし、僕としても患者のことは心配だし。」
新羅がそう言うと帝人は考え出した。
「(うーん、どうしようかな?入院費とか馬鹿にならないし・・・。でも、セルティさんたちにこれ以上迷惑かけたくないなぁ。)」
「入院費とか家ならいらないし。」
新羅がそう言うとセルティも何度もうなずいて同意した。
杏里と正臣は心配そうだが、正臣が思い出したように呟いた。
「…そういや、帝人は入院しても抜け出したり、無理やり退院したりしてたなぁ。」
『「「え?」」』
新羅・セルティ・杏里が正臣をみると正臣はさらに続けた。
「それで一ヶ月で治る怪我が3ヶ月たってやっと治ったんだったなぁ。」

帝人は顔を引きつらせた。
まさしく正臣の言うとおりことが小学校のときにあった。
帝人はまず病院というものが嫌いなのだ。
だからさっきも救急車ではなく正臣に連絡したのだ。
かと言って、ここで療養するとなればセルティと新羅に監・・見張られることになり
抜け出したりするのは困難になる。
だったら入院したほうが、と思ったら、その思考を読んだであろう正臣に先手を
打たれてしまった。
「・・・・・あの、僕病院で入院・・。」
「しても逃げ出すもんな。」
帝人の主張は笑顔の正臣にばっさり切られてしまった。
日ごろの仕返しかこんちくしょー と帝人は心の中で叫んだ。
『帝人、ここで療養しろ!それがいい!』
セルティがそう打つと横で新羅も同意した。
「医者としてそういう事態は見過ごせないしね。」
杏里もうなずいているのが分かる。
「・・・・・・・はい。」
帝人は素直にうなずかざる終えなかった。


作品名:地上に咲く太陽 作家名:まぁ秘密