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竜神と [弐]

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〔セルティさん。ぶしつけにすみません。僕と友達をかくまってくれませんか?〕
〔!?よく分からないが、今すぐきていいぞ!新羅もいいって!〕
〔じゃあ今から向かいます。無事についたらいいなぁ・・。〕
〔は!?〕
というセルティとのメールを終えて帝人は正臣に
「じゃ、この家危険だから、行こうか。知り合いの人にかくまってもらうから。大切なものとか持って、ほら早く。」
そう言った。
「どえぇぇえ!いきなりですか!」
そう驚きながらも正臣は帝人の言うとおりにして、荷物をまとめた。
「あ」
帝人は窓の隙間から外を見てそうもらした。
「なに?」
嫌な予感がしつつも正臣はそう帝人に聞いた。
「このマンションのまえにもう粟楠会の人がいる。」
そうもらして帝人はベランダの窓を開けた。
粟楠会がいるのとは逆方向だが
「帝人、ここは6階だ。」
正臣がそう言うと帝人は暴れる正臣をかかえて飛んだ。
妙な浮遊感に気分を悪くしつつ正臣は帝人に
「やっぱりお前って竜神なんだな。」
と言った。
「まあね。」
と帝人は答えてそのまま文字通り飛び続けた。

コンコン
「!」
ベランダからノックがあり新羅は驚いた。
が、セルティはベランダの窓を開けた。
そこには帝人と帝人の友達と思われる少年がいた。
「すみません。こんなとこから夜にお邪魔して。」
そう笑う帝人にセルティは
『無事でよかった!』
と抱擁した。
「なんて・・・羨ましいんだ帝人・・・・。というか・・・気持ち・・悪・・。」
帝人の横の正臣はそう今にも吐きそうになりながら言った。
「酔い直しの薬あるけど?」
新羅がそういうと正臣は
「・・いただきます。」
そう素直に答えた。

「あはははは!それで飛んできたんだ!」
新羅が一通りの事情を聞きそう笑うと正臣は
「笑い事じゃありません。あの妙な浮遊感気持ち悪いし、下見たら寒気がするしで。」
そう訴えた。
『大変だったんだな。私も一度、帝人におぶられて飛んだことがあるが、あれはまさしく気持ち悪い。』
セルティもそう同意した。
「失礼な。」
帝人はそう言いながら続けた。
「まさか正臣の家に乗り込んでこようとするなんて、予想外でした。さすがヤクザ。」
帝人がそう笑うと正臣は
「ダラーズの創始者を俺が知ってるって流した奴を殺したい気分だ。」
と返した。
「あ、大丈夫。もうその人たちは十分に反省してるよ。」
帝人がサラリとそう言うと正臣は顔を引きつらせた。
「えっと、帝人さん?今、何かぶっそうなことのようなことが聞こえた気が・・・。」
「ん?だからもう報復済みだよって。」
帝人はそうストレートに言った。
「俺はもうその人たちに殺意が沸かない。むしろ憐れみの感情がわくね。」
正臣はそう肩をおとし俯いた。
『帝人・・、殺して・・。』
セルティがそう聞くと新羅が
「いやいや、帝人君が人殺しなんかするわけ、ねぇ?」
と帝人をみた。
帝人はどこまでも清清しい笑顔で
「殺してません。ちょっと生きるのが嫌になることと死ぬのが嫌になることを同時にしただけですよ。」
と言った。

春になり暖かいのにも関わらず、気温が十度下がった気がした。




「でも困ったなぁ。正臣、学校どうする?行ったらなんか怖いおじさん達が待ち構えてそうだよ?」
帝人が新羅にもらった日本酒をぐびぐび飲みながら唐突にそう正臣に言った。
「しばらく休んでもいいだろ。家の学校は静雄さんや臨也さんが卒業できる甘さだからな。」
正臣はセルティとテレビゲームをしながらそう答えた。
「へぇー。そうだ、情報屋の鼻っ柱折るんだった。」
帝人は思い出したようにそう呟いた。
「あぁ、酒の恨みか。」
新羅がそう言うと帝人は
「ついでに正臣の件の奴も兼ねて。」
そう付け足した。
「え?俺のがついで?酷くね?ってギャアア!また負けたぁぁ!セルティさん強すぎっすよ!」
正臣とセルティは格げーをしているのだが、正臣が負けてばっかだ。
ゲーマーのセルティに勝てたらそれはそれで凄いのだが。
『私に勝とうなどと百万年早い♪』
セルティの影もオンプを発している。
「帝人!俺の敵をとってくれぇ!」
と正臣は帝人にコントローラーを押し付けた。
『帝人でも容赦はしないぞ?』
「僕も容赦とかはしませんから。」
帝人はやれやれと格げーを開始した。

『あ!何でだぁぁ!』
結果的に言えば帝人に圧勝だった。
「このゲームは初めてなんですけど、まぁそれなりに面白かったですね。」
帝人がそうサラリと言うとセルティのゲーマー魂に火がついたようだ。
『もう一度だ!私が勝つまでやるぞ!』
2人の対戦は夜通し続けられたと言う。
新羅も正臣ももちろん寝たが。

『なんで!勝てない!』
というセルティの叫びは帝人の見事なコンボ技によって消えたという。


翌朝
セルティはぐったりとしており、帝人は上機嫌で酒を飲んでいた。
「え?何この構図?」
正臣がソファーから起き上がりそう言うと帝人は
「明け方までセルティさんが諦めないから、ちょっと完膚なきまでに叩きのめした☆」
そう笑って答えた。
「うっわー、優しさの欠片も感じられねぇー。」
正臣がそう言うと帝人は
「明け方まで付け合ったのが僕の優しさだよ。それにわざと負けるほうが失礼でしょ?」
そう酒をぐいっと飲み干した。
正臣は過去のことを思い出していた。
あぁ、そういやこいつ。田舎で擦れ違ったやーさんに肩をぶつけられて「どこみて歩いとるんじゃあ!」って怒鳴られたとき「前ですけど?」つって冷たい笑顔とともにやーさんがトラウマになるほどの罵詈雑言を浴びせたあげくに土下座さしてたなぁ・・・・。
正臣が遠い目になるなか新羅も起きてきて
「え?何この構図?」
と正臣とは真逆のウキウキした態度で聞いてきた。


さて、朝食も終わった頃。帝人はセルティにノートパソコンを借りて何かをしてた。
「っと、これでよし。」
そういって帝人がエンターを押すと画面に CLEAR という文字が次々無数にでた。
「何してるの?」
新羅がそう好奇心のままに聞くと正臣が予想してた言葉が返ってきた。
「あぁ、ちょっと破壊行為を。」
『「へ?」』
2人がそう首をかしげると正臣はたまらず
「聞かないほうがいいですよ。」
そう言ってしまった。
そう言われると聞きたくなるのが人のさが(人じゃないのもいるけど)。
『「教えて」』
そう言われて帝人はにやりと笑い
「だから、あの情報屋のパソコンをクラッキングしてるんですよ。」
そう告げた。
『「え・・・」』
「だから言ったじゃないですかぁ・・。」
帝人は構わず続ける。
「これで奴のパソコンは全部おしゃかですよ。酒の恨みはこれでよし。
 あとは、正臣のぶんだね?」
帝人はそうノートパソコンをシャットダウンして笑った。
「あ、大丈夫ですよ。このパソコンからクラッキングしたなんて分かりませんから。
 僕がそんなヘマするわけないでしょう?」
『いや!そうじゃなくて!クラッキングは犯罪行為だぞ!』
セルティが我に返りそう帝人にPDFを見せると帝人は
「僕は人間じゃないので、法律は適用されません。」
と返した。
「まぁ、そうだね。」
我に返った新羅が同意する。
『言われてみれば、そうだよな。』
作品名:竜神と [弐] 作家名:まぁ秘密