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恋しても恋せども

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イギリスさんは自分の周囲をぐるっと見た。

ああ、『妖精さん』という奴だろう。

彼らが私にチャンスを与えてくれたのだ。

「イギリスさん、私、」
イギリスさんが真っすぐに私を見る。
その視線に恥ずかしくなるが、目は逸らさなかった。
「私、あ、貴方のことが…す、す」

「好きだ、日本!!」

響いたのはイギリスさんのほうの声だった。
「最初っからまどろっこしかったんだよな、ったく。」
はーぁ、とイギリスさんは肩を落とした。
「格好良く決めようとして、俺らしくも無い告白をしちまった。」
呆然とする私の前でイギリスさんがいつものニッとした笑みを浮かべる。

「日本、俺は日本が好きだ。だから、付き合ってくれないか?」
「…ぁ。」
「フるならそれで良い。きっぱりと、はっきりと言ってくれ。」
「あ、」
「き、気にしたりなんかしないんだからな。泣いたりなんかっ」

「貴方が好きなんです…。」

「大丈夫、うん、俺は強いから…え?」

間抜けな顔したイギリスさんに笑ってしまった。



歓喜の乱舞で踊り狂うイギリスさんを見ながら、私はその服の裾をつんっと引っ張った。

「くりすます、一緒に居てくれませんか?」
「え?」
「ぷれぜんと、を交換するんですよね?」
仏教徒の自分にはあまり関係の無いイベントだったが、恋人同士には重要なイベントだ。
出来たばっかりの恋人に私は『お願い』をしてみることにした。
「イギリスさんちのほうでは、盛大なパーティーとかをされるのでしょう?」
「だから、ずっとじゃなくて良いんです。ぷれぜんとを持っていくので一瞬だけで良いので抜け出してくれませんか?」
「もちろん、お忙しければ良いんですけど・・・・。」
「駄目、ですか?」

反応の無いイギリスさんを見ると、遠い目をしていた。
ヒラヒラと手を振るとハッと気が付いたようだ。

「あ、余りの幸せに気が遠くなるところだった、…馬鹿だな、日本。もうとっくの昔に、俺の人生は日本の物になってるんだぜ。」

イギリスさんは笑って言う。
私は自分中で溢れ出る感情をそのまま素直に吐き出した。



「愛してます、イギリスさん。」

その後すぐにイギリスさんが鼻血を垂らしてぶっ倒れたことは、言うまでも無いのだけれど。
作品名:恋しても恋せども 作家名:阿古屋珠