[ギルとエリザで]なでてもいいのよ?
で、こいつが朝起こしに来なくなったのも、自転車でこいつと競争しながら登校することがなくなったのも、俺が学年一位の座を奪うまでそこに澄ました顔で鎮座していたくそ坊っちゃんのせいだ。
何の因果か(たぶん日本語で言うところの破れ鍋に綴じ蓋ってやつだ)、こいつらが仲良く朝電車通学するようになってしまったもので(坊っちゃんは一応二週間は自転車に挑戦していたが)、今まで上手に利用してやってた諸々が旨く回転しなくなった結果、俺はひとり勉学に勤しんだり効率的な朝の時間の使い方を研究したりするようになったわけだ。
なんだ、振り返ってみれば俺の腹痛の原因ってだいたいこいつの責任じゃねえか。
撫でられてる間だけは若干痛みが遠のくような気がするから、罪滅ぼしとして撫でさせてやることに決めた。
せいぜい俺の腹痛が治まるまで熱心に撫でるがいい。
某月某日、俺様心の日記より。
作品名:[ギルとエリザで]なでてもいいのよ? 作家名:佐野田鳴海