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午後11時38分

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午後11時。
外は夜の帳にすっぽりと覆われていて真っ暗だ。
ベッドサイドの小さなライトをつけているこの寝室も
灯の範囲を越えてしまえば 真っ暗。
普段この時間には寝ているからあまり感じないが
俺はこの時間が結構好きだったりする。
耳が痛いほどの静けさも
普段より遅く感じる時間の流れも
自分が融けてしまうんじゃないかって程の闇も
案外悪くないもんだ。

「ぁ・・・っく・・・」

ここ、ロシアにつれて来られてからと言うもの
自由にロシアから出て遊びに行く事は出来ない。
仕事していない時、ぼーっとしてる時なんか空想するのが増えた。
思うのは、決まって会えなくなった親しい奴らの事。
今何しているのだろうとか
今誰といるのだろうとか
時差も頭に入れながら想像すると良い暇つぶしになる。
例えば・・・菊のやつは何やってんだろうな。
あいつの家とここまでは確か6時間ぐらい離れてたはずだ。
てことは朝の5時。
自称ジジィだしもう起きてんじゃねぇか?
朝飯と散歩終わってたりして。
メニューは白飯とミソスープと鮭の焼いたやつってとこか。
あ、あのしょっぱくて黒い紙みたいなの何て言ったっけ?結構旨いんだよな。

「・・・はぁ・・・は・・・・」

エリザと坊ちゃん家は2時間プラス。
深夜1時頃って言うと・・・寝てるわな。
風呂入って、飯も食い終わって一息ついて
坊ちゃんのピアノでも聴いてからのご就寝ってとこか。
ったく、見栄っ張り貴族の何が良かったんだか。
この小鳥のようにカッコいい俺様を悉くふってくれくちゃってよぉ。
あんまり腹立つからちょっかいかけまくった俺も悪かったけど
フライパンで殴るこたぁないんじゃね?
物凄く痛かった。なんて言うのか・・・脳に直接鉄パイプ叩き込まれる感じ?
お空でオヤジが手ぇ振ってるの見えたし、本気でやばかった。うん、痛かった。
ま、せいぜい幸せになれよ。
でもお前らだってたまには喧嘩してもいいんだぜ?
戦ってるエリザは、すごく綺麗だから。
でも、たまーにな。

「ぅぁッ・・・・!!」

深夜1時か。アントーニョとフランシスは・・・飲んでんじゃね?
まだまだ夜なんてこれからだし、何かにつけて騒ぎたがるしな。
そういや「いいワインがこの時期よく出来上がるんだよね」とか昔言ってた。
実際すげー美味い。
あいつらアホだけど料理とかめちゃくちゃ美味いんだよな。
酒とかもっとじっくり味わいたいのに、ヒゲとトマトといると
メインが馬鹿騒ぎになっちまう。
トマティーナもどきに、ワイン風呂に
アイスは何段まで積めるのか、なんてこともやった。
確か最高17段で、積みあがったアイスが溶けて俺のほうに倒れてきたんだ。
俺様もアホだった。
楽しいんだよな。あいつらと馬鹿やるの。居心地良いっつーかさ。

「・・・ひ・・・!」
「どうしたの?」

ヴェストのところも午後11時ぐらいか。
我愛しのむきむきヴェストは・・・そうだな
昔から規則正しい生活してるしもう寝てる筈だ。
いや、訓練遅くなって部下と飯食ってるか。
それとも上司と難しい顔して会議してる?
フェリちゃんにベッド潜り込まれてんのか?
んで説教に雪崩れ込んでるのか?
多分この内のどれか1つには当てはまってると思う。
お兄様の勘ってやつだ。

「ぃゃ だ も、止め・・・!」
「大丈夫、気持ちよくしてあげるから。」

午後11時。ロシアの家にいる俺はベッドの中にいた。



作品名:午後11時38分 作家名:akira