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マルナ・シアス
マルナ・シアス
novelistID. 17019
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【東方】東方遊神記15

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「そう言えばさ~」
本日の最終目的地である人間の里へ向かう途中、諏訪子が徐【おもむろ】に話しだした。「ちゃんとした住処を持たない人たちはどうしようか?例えばさっき神社にいた萃香とか、あと・・・ほら・・・あの花畑によく立ってるっていう・・・えぇっと・・・」
「風見 幽香【かざみ ゆうか】さんですか?」
「そうそう、それ!」
この幻想郷には、今の顕界とは比べ物にならないくらい多くの人外が存在している。その中で、当然かなりの力を持った者も沢山いる。妖怪の山の御影や美理、文もそうだし、神社にいた萃香もそうだ。そして、今早苗が言った名前の人物も、そんな有力者の一人である。因みに妖怪で、予想できていたと思うが女性である。幽香は妖怪の山がある方向とは逆の幻想郷の外れにある『太陽の畑』と呼ばれる花畑にいるところをよく目撃される。この場所は、その名が示す通り、夏になると一面が目も眩む様な鮮やかな向日葵の花で埋め尽くされる。彼女は花が大好きで、いつも季節ごとに咲く花々を眺めてはニコニコしている。・・・こう書くと、なんだか優しそうな女性に思われるが、それはとんでもない間違いで、実際の彼女は萃香なみの戦闘能力と、紫なみの思考能力を併せ持った化け物なのである。おまけにドS。筆者も今書いていることが本人にばれたらと思うと、怖ろしくてたまらない。
話が逸れた。元に戻す。
「べつにいいだろ?そういう奴らは会った時にでも随時知らせていけばいいよ。要は優先順位の問題だ。それに、もう余計な仕事を増やすのはよそう。疲れる」
「それもそうだね。じゃあその時その時ってことで」
「わかりました」
「我はお二人にお任せします」
そうこうしている内に人間の里が見えてきた。
「見えてきたね。そろそろ下に降りるよ」
神奈子のその声に、青蛙神は体を震わせた。拳を握りしめ、歯を強く噛み締めている。「青さん?どうかしましたか?あっ・・・」
青蛙神の変化に気付いた早苗は彼女に声をかけたが、すぐに変化の理由に思い当たり、口を噤【つぐ】んだ。
「・・・大丈夫だよ、青ちゃん。こっちの人間は、青ちゃんが言ってたようなことには全然なってないから」
「そうだね。むしろ、懐かしく感じるんじゃないか?」
「・・・そうですか・・・」
いくら神奈子たちの言葉でも、実際見るまでは信じられないか。
「まぁ『百聞は一見に如かず』ってね」
一行の目の前に、夕食前の人里の賑わいが近づいてきた。


この人外の理想郷である幻想郷は、2000年以上も昔、顕界において妖怪の存在価値が徐々に薄れていくのを憂いた龍神が、妖怪の賢者たちを招集し、顕界と並行して繋がる別次元に造った世界である。当時は妖怪しか住んでいなかったが、妖怪は、微量ではあるが、存在するだけで一定の量の瘴気【しょうき】を放っている。このままでは木々は枯れ、川の水は汚れ、生き物も死に絶えてしまう。考えた末、賢者たちは顕界から、生まれ変わりたいと思っている人間や、この世、つまり顕界に絶望している人間などを集め、幻想郷に導き、道具を与え、住まわせるようにした。新天地で第二の人生に燃えていた人間たちは、独自の発展を遂げていき、人口も増えていった。そして今に至る。やはり世界のバランスというものは、人間と人外が両方いないと保てないのである。
人里が今のように活気溢れるものになるまでにも、妖怪たちは妖怪たちで勢力を伸ばそうと色々と画策したが、大体において失敗している。中でも代表的なのが、幻想郷ができてから1000年近く経った頃、ある妖怪の賢者が、領土拡大や新しい技術、資源獲得のために、月に攻め入った『幻想月面戦争騒動』がある。結果は月軍の未来兵器の前に完敗。これ以降幻想郷の妖怪たちは増長することなく、自重するようになる。因みにこの攻め入りの時に妖怪軍の指揮を執ったのが、あの八雲 紫だといわれている。
そして、今からおよそ100年前、それまで妖怪たちは大規模な行動はしなかったが、幻想郷内で暴れ回っていた。妖怪同士で争ったり、せっかく増えてきた人間をむやみやたらに襲ったり、はたまた力や知恵を付けた人間が人外たちに反抗したり。それは目に余るものだった。みかねた龍神は、それまでの沈黙を破り、幻想郷に降臨。制裁を下した。それは、天が割れんばかりの雷鳴が轟き、幻想郷全てが水の底に沈んでしまうのではと思われるほどの大豪雨を呼び、何百層にも重なった歪な黒雲が、昼でも日の光を完全に遮り、幻想郷は四六時中暗闇に染められた。今度こそ本当に応えた妖怪の賢者たちは、自分たちの存在を掛けて幻想郷の平和維持に努めることを誓い、やっとの思いで龍神の許しを得た。 
この出来事をきっかけに、幻想郷の平和を守るための様々なものが生まれた。顕界から神事に明るい人間、その中でも特に能力のある一族を幻想郷に招き、幻想郷と顕界の境界に日本の神社を模した建物を建て、そこに住まわせた。そして、その境界には互いの世界を完全に隔離するために、強力な結界を作った。これにより、互いの世界の住人はそれぞれ互いの世界に行くことが基本的にできなくなった。そして、招き入れた人間にこの結界の管理を依頼したのである。これが、博麗神社、博麗の巫女、博麗大結界の始まりである。
そして今代の博麗の巫女である霊夢の時に、人を襲えなくなった妖怪のストレス発散のためにと擬似決闘ルール、『スペルカード・ルール』が生まれたのである。
そんなこんなで、人間を襲う必要が無くなった妖怪は、なんと人間と近しい存在になっていった。この里でも、普通に妖怪が歩き、買い物をし、酒を飲んでいる。中には沢山のお得意様の妖怪を抱える飲食店もあるくらいだ。