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まさきあやか
まさきあやか
novelistID. 8259
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きよしこのよる / セフィクラ

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「街にプレゼントを探しにだよ」

 僕もローザやカインへのプレゼント、探したいからね。と言うセシルにジタンも手を挙げた。

「それじゃオレはお姫様へのプレゼントを探しに行くかな~と」

 後はミコトとクソ兄貴にでもなんか見つくろうか。と、ジタンが大きく伸びをしてベッドから降りる。

「俺も」
「ボコへはやめておけよ」

 ギザールの野菜でも与えておけ。と、チョコボへ行きすぎた愛を向ける友人をクラウドが止める。

「え~じゃぁ」
「前に話していた領主の娘さん姉妹へプレゼントでも考えたら?」

 生誕祭のお祝いで集まるんだろ?と、助け船を向けるセシルにバッツはいまいち納得しないようすを見せつつも「そうするかぁ」と頷いて立ちあがった。当然抱きかかえられたままのクラウドも一緒に立ちあがる。

「クラウドは、誰に贈る?」
「母さんと…ザックスとセフィロスにも贈ろうかな」

 書類整理で散々迷惑をかけられているザックスには、むしろあいつがよこせと思うのだが、やはり親友には違いない。セフィロスはザックスに贈って彼に贈らないとなんとなくすねそうだ。
 英雄である彼には――誕生日が非公開と言う事もあって――それこそいろいろなところからプレゼントを貰うのだろうが、そう言うところが意外と大人げない。
 あのでかい図体をした男がすねている姿を想像して、クラウドは思わず頬を緩ませる。
 あとは叔父と言う事になっているヴィンセント、コスモキャニオンのナナキやブーゲンハーゲンにも贈ってもいいかもしれない。
 そう言って差し出されるコートを手に取ったクラウドに、セシルがにっこりとほほ笑んだ。

「プレゼントを選んでる時ってさ、幸せにならない?」

 相手の喜びそうなものを探して、喜ぶ笑顔をそ想像して、それはきっと幸福なひと時だろう。

「……そうだな」

 そう言って頷いて、ついでに隣のライトとフリオニールも誘っていこうと、五人は部屋の外へと出たのだった。





「……セフィロスは、なにを探しているんだ?」

 私には、宝石のパンフレットを見ているように見えるんだが、意中の女性でも出来たのか?と、尋ねるラザードは最近すっかり憑きものが落ちたようだと評判だ。
 尋ねられたザックスは、宝石のパンフレット――神羅の英雄が宝石を希望していると、ディーラーがごっそりと置いて行った――セフィロスにポリポリと頭をかく。

「たぶん、おそらく、十中八九、きっとクラウドへのクリスマスプレゼントかと…」

 24日のパーティーで贈る予定だと思いますと、ザックスは疲れたような表情で頷く。ちなみにラザードは自身の異母弟も出席するパーティーの警備の最終確認のためにセフィロスの所を訪れた所だ。
 少し前にクリスマスプレゼントには何が欲しいかと言う神羅社員へのアンケート結果を食い入るように見ていた事を思い出しつつザックスが言う。

「ザックス、クラウドくんは男の子だよね?」

 ラザードは当然自分に代わって戦闘力はあるが事務能力は皆無のソルジャー部隊のケツをぶったたいて事務処理をさせるクラウドを好ましく思っている。彼がアルバイトに来てくれたからずいぶんとやり直しになる書類が減ったものだ。
 それと同時にあの英雄がずいぶんと少年にご執心なことも、暗黙の了解と言うか、公然の秘密である。目下彼らの関係を知るソルジャーやタークスの間では、英雄がミッドガルの青少年保護法の範囲外となる16歳まで我慢できるかどうかが一番の関心どころであり、賭けの対象だ。
 ちなみにオッズは3:7で手を出す方が勝っている。ラザードとザックス、それとアンジールはクラウドの身の安全を願って「出さない」に賭けているが、ジェネシスとルーファウス、は「出す」に賭けている。

 ―――閑話休題

 ラザードの言葉にザックスも遠い目をしながら自分の憧れた〝英雄〟を見つめる。

「十五歳のピッチピチの男の子ですねぇ」

 ついでに言うならミドガルズオルムもかば焼きにする暴走チョコボでもある。

「………レアマテリアでも贈ってあげた方が喜ぶんじゃないかね?」
「……………それで翌日はモンスター狩りデートっすか?」

 25日は休みになっていたはずだ。と言うザックスにラザードは頭痛を押さえるように目頭を揉むと、持っていた書類をザックスに押し付け踵を返した。

「年末年始は旅行に出かけるから」
「帰ってきてくださいよ~~~」

 冗談とも本気とも思えるザックスの言葉に、ラザードはふっと遠い目を天井へと向け、結局答えずにセフィロスの執務室を後にしたと言う。

 果たしてセフィロスからクラウドへ贈られた誕生日プレゼントが何だったのか、それを知るのは本人たちとザックスだけである。