しらゆきひめ
十「ねえねえ皆さん、これを見てくださいのー!」
ヤ「いきなりなんだよー、十字架天使」
男「んー、なになに『白雪姫』……?」
牛「絵本ですね」
フ「絵本じゃないか」
一「絵本がなんだってんだよ」
十「はいですの!これは、毒リンゴを食べたお姫様が王子様のキスで目覚めるっていう、とーってもステキなおはなしですの!」
照「知ってます!小さい頃、よく、宝玉神に読んでもらってたんです」
ア「えーっと、どれどれ……『「なんて美しい方なのでしょう!」王子は白雪姫に口づけをしました、その時のどに引っかかっていた毒リンゴがぽろりと取れました、息を吹き返した白雪姫は、ゆっくりその眼を開けました。』……ホントだ!」
ピ「十字架天使、キミ、これを僕達に見せて、どうしようっていうんだい?」
十「(エッヘン)これで、劇をするんですのよ!」
ヤ「げ、劇~?!」
フ「劇か」
十「みんなで劇をして、みーんなに観てもらうんですの!!」
ヤ「そんな~、十字架天使、キミねえ、思いつきでモノを言ってもらっちゃあ困るるんだよ!」
十「はらはらはら~、ヤマト王子さん、そんな怖い顔で見ないでくださいの~」
男「そうだよ!自分の趣味に合わないからって、怒るなよな!」
ヤ「あのねえ天子男ジャック、ボク達は、一刻も早く次界へたどりつかなきゃならないの!そんなお遊びしてるヒマ、ないだろ?」
フ「まあ待て、ヤマト王子……これは案外、良い考えかもしれないぞ」
ヤ「?魯神フッド?」
フ「これまでの旅で、聖フェニックス様も、随分お疲れになっている。私達が、劇を見せて差し上げれば、体も少しは休められるし、気分転換にもなるだろう」
ヤ「え~、でも~……」
フ「それに……劇というのも、なかなか面白そうだ」
十「きゃーの!そうですのよ、きっと面白いに違いありませんの!」
男「(ヤマトを横目で見ながら)じゃあ、決まりだな!」
ヤ「んもー、ボクは知らないからね!(そっぽを向く)」
牛「……しかし、劇と言っても、一体どこでやればいいのか」
ピ「そうだね。出来れば衣装なんかも揃えたいし」
照「水晶の里は、どうですか?あそこには舞台もあるし、皆も協力してくれるはずです」
男「へえ、そりゃいいな!」
フ「よし、決まりだな。後決めることは、と……」
ア「なあなあ、オレ、何やる?!」
フ「そうだ、配役だ」
十「はいの、はいの、はいの~!白雪姫は、わ、た、し、が、やりますのよ!」
一「ずいぶん気合が入ってんな」
ピ「いいんじゃない?唯一の女の子天使なんだし」
フ「そうだな。それでは、相手役の王子」
十「それは、もちろん、ヤマト王子さんですのよ!!」
ヤ「ちょ、ちょっと待ってよ!なんでボクがキミの相手役なのさ~」
十「はらはらはら~、だってヤマト王子さんは『王子』ってついてますの~、王子役じゃないとおかしいですのよ、ルンルン」
男「なーんだ、そういうことか」
ヤ「そんな、名前だけで決められちゃあ、たまんないよ~。ボクは、王子役なら、ピーター神子の方が似合ってると思うよ?」
一「王冠も被ってるしな」
十「! そ、そんなことはないですの!ヤマト王子さんの方が、ダーンゼン似合いますのよ!!王冠だったら、きっと、ピーター神子さんが貸してくれますの!」
ピ「……別に、ボクは構わないけどね」
牛「ちょっと待って下さい、九名では、演じる人数が足りないのでは?」
男「えーと、姫、王子、七人のこびと……あ、王子が乗る白馬もいるんじゃねーか?」
フ「……白馬」
牛「白馬」
男「白馬」
照「白馬」
ア「……なんで皆で、オレを見るんだよ?!」
フ「決定だな」
ア「ちょっと待ってくれよ!オレだって、いろいろやってみたいよ!!」
フ「しかし、人数が足りないのだ。白馬の出るシーンは、こびとと姫と王子が一堂に会する。本来は、馬に裂く人員も無いくらいだ。しかし、お前なら……」
ア「じゃあ、馬無しでいいじゃん!」
牛「しかし、隣国の王子が、歩いて森へ来るというのも……」
照「リアリティーに、欠けますね」
男「て、ゆーか、馬無しでやってんのに舞台に馬がいたら、ヘンだろ?」
ア「ウマって言うなよ!!!(怒)」
配役決定!!
白雪姫ーーー十字架天使
隣の国の王子様ーーーヤマト王子
まま母(お妃)ーーーピーター神子(「この国に私より美しい人間がいるなんて……キイイ!」←熱演)
まま母(リンゴ売りの老婆)ーーー天子男ジャック(←意外とハマり役)
魔法の鏡ーーー魯神フッド
白雪姫を森へ連れ出す従者ーーー牛若天子
6(!)人のこびとーーー魯神フッド(二役)、ピーター神子(二役)、牛若天子(二役)、一本釣帝、天子男ジャック(二役)、照光子
白馬ーーー騎神アリババ(!!!)
ア「ちっきしょー!今に見てろよ!!」