二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
ちんぷるんこ
ちんぷるんこ
novelistID. 20227
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【腐向け】らぶろーどきゃすと!/C79サンプル【土沖】

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 



ところでこの土方と総悟の放送、校内でなかなかの好評を博している。二人の夫婦漫才のような巧みな掛け合いは当然のこと、放送をしている二人の声が絶品なのが一番の理由だろう。
実際土方の声には熱心な女子生徒のファンがたくさんおり、なんでもトシラーと名乗っているらしい。もちろん総悟の声も人気があり、何を隠そう土方も総悟の声に魅せられた、そのうちの一人であった。

「いやあいい曲でし滝に打たれて死ね土方。GBCへの曲のリクエストは放送室前のポストによろしくネクロマンサー。」

こんなことは台本に書かれていない。寺門通の曲を受けて、たった今総悟が思いついたアドリブである。あのマヨいのないなぞかけだって、今頃整ったのではもう遅い。マヨネーズもアドリブも、どちらも鮮度が命なのだから。
土方をも虜にした、その声、その舌、その唇。総悟の翼が放送室という檻を突き破ってしまっていることを、土方はとうに気づいていた。

「ほら、土方さんの番ですぜ。」

マイクを手で覆いながらむすっと睨む総悟に、土方は肩を竦め台本に視線を戻す。

―総悟、俺は…

長い睫毛に隠された瞳を見つめて、土方は総悟にそっと尋ねた。これからこの瞳が、曇り、濡れる。そんなことは十二分にわかっている。

―俺は、お前と……

あの四月の放課後から、二人のコンパスは狂い始めていたのかもしれない。堪らず目を背ける土方に、総悟が不思議そうに首を傾げている。
この土方の覚悟を総悟が知ったのは、いよいよ今年も終わりという頃だった。