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家庭教師情報屋折原臨也6-2

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同時刻。

「本当寂しいやつだよね、君って」
「その寂しいやつに付き合ってくれて感謝するよ」

臨也と新羅は学食で、向かい合って昼食をとっていた。テーブルには学食に伝わる裏メニューが置かれていた。

「孤食はよくないからね」

そう言って、臨也は箸で小分けにした最後のハンバーグを口に入れた。

「そのこじつけにも見える理由はよした方がいいよ」

新羅の方はすでに食べ終わっており、プラスチックのコップに入った麦茶を少しずつ飲んでいた。

「……なんか冷たくない?」
「私は今すごく機嫌が悪いから」
「その格好で一人称私はやめた方がいいと思うよ」

新羅は周りをちらっと見て、ため息を吐いた。周りの人間たちは皆一堂に新羅に一度は視線を向けていた。文化祭では幾分普通になり始めている女装だが、意外と視線を集めるものである。ある程度似合っていれば猶更だ。
臨也は箸を皿に置いた。その表情は満足気であり、驚きもあった。

「学食の味も変わっていなかったとは驚いたよ」
「そんな仔細なことまで覚えているのかい?」
「結構お世話になっていたからさ」

でなきゃこんな裏メニュー知ってるわけないだろう。そう言って臨也はコップに残っていた水を一息に飲み干した。するとコートのポケットに入れていた携帯が小刻みに震えた。

「おっと、メールだ」
「静雄かい?」
「みたいだ」
「なら、僕は帰るとするよ」

午後は暇だし、こんな格好さっさと着替えたいし、片付けはしなくちゃいけない気がするけどセルティに会いたいし。じゃあね、と手を振って新羅はテーブルを離れて行った。途中振り返り、一言。

「気を付けてね」

臨也は苦笑いしながら軽く見送り、メールを開いた。

 『一時に正面昇降口で』

絵文字も何もないそっけない文面だったが、逆に静雄らしさを感じ、臨也は携帯を閉じると軽い足取りで食器を返し、食堂を出た。